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2021年2月27日(土)獣医室だより102 ヤブイヌの便秘

ヤブイヌのダイモンは,京都市動物園のヤブイヌの中では最高齢の10歳。
白髪といっていいのか,体毛もかなり白みがかってきました。
てんかんの持病があるこの個体,ここ数年は発症がなかったのですが,昨年の年末ごろから発作を出すようになりました。
肝臓の数値も悪くなっていたため,現在何種類かの薬を継続投薬しています。

治療と前後して,毎日見られていた排便の回数が減っていきました。
病気が原因か,それとも投薬が原因か。
いくつかの病気を疑い検査と投薬をしたのですが,原因が判然としません。
鑑別診断の本の「排便困難」のページを複写して,一つ一つ消しながら原因を探っていきます。
造影剤を飲ませたり,直腸検査をしたり…
それでも原因を確定することができませんでした。

ある時,便秘の薬を変更したところ,便秘が解消されてしまいました。
それまでも下剤を与えていたのですが,ダイモンには新しい下剤が合っていたようです。
結局原因は確定できずですが,今のところ,快便生活を送っています。

現在も定期検診を続けていますが,神経症状も肝臓の状態も良好です。
折角なので定期的に爪切りもしており,足裏の状態も良好です。

土佐