イベント

「おかえりなさい,ヤリタナゴ!」 2015年11月15日(日)

前日からの雨で心配していたのですが,スッキリと晴れ上がった秋の日曜日になりました。

今回おこなったこのイベントはさかのぼること2年前からの計画でした。

平成26年5月,噴水池が浚渫(しゅんせつ)工事のため水をすべて抜き,さらにそこから5か月間水がない状態になることで今まで生息していた生物たちがいなくなってしまうことを余儀なくされました。

それに備えて平成25年6月に京都水族館のご協力により噴水池にいたヤリタナゴを捕獲し,増やしてくださることになりました。
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京都水族館にて平成26年春,そして今年の春に繁殖させた子孫たちを,11月15日,当園で開催したSAGA18に合わせて85匹持ってきてくださいました。
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イベントがスタートするまでに,下準備です。
京都精華大学の学生さんたちとともに,すべてのヤリタナゴの計測とマーキングを行いました。
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ノギスで計測。

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今回放流したヤリタナゴだとわかるように,目の横に蛍光シリコンを注入する方法でマーキングをしました。

いよいよイベント開催です。
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屋外でしたので久しぶりのアナログなイベント。
これが,案外子供たちにウケて,みんな真剣にタナゴのおはなしを聞いてくれました!

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おはなしの後は各グループごとにヤリタナゴをすくって・・・・

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大海原,いや,噴水池に放たれました!!!!!!
このとき,「いってらっしゃい!」や「元気でね!」の前に
「おかえりなさい!」
と,言ってもらいました。
放流したヤリタナゴたちのお父さん,お母さんはこの池で過ごしていたのですから ^_^


このイベントはこれにておしまいですが,このヤリタナゴたちはここからがスタートです!
この池で子孫を残してもらうための環境を私たちが作っていかなければなりません。
その環境とは「本来のあるべき姿」です。

ヒトによって崩してしまった生態系を元に戻すには,正しい知識と,並々ならぬ努力,そして長い時間が必要です。
それと,みなさんが時々「噴水池のヤリタナゴ,どうなったかなぁ・・・・」と思ってくださるのも大きな力になりますので今後の情報を末永くチェックしてくださいね!

種の保存展示課 タカギナオコ