イベント

SAGA18シンポジウムを開催しました。

京都市動物園では,グランドオープン記念事業の一環として,第18回SAGAシンポジウムを11月14日,15日にかけて開催しました。

SAGAとは,Support for Asian/African Great Apes(アジア・アフリカに生きる大型類人猿を支援する集い)の頭文字を取ったもので,1998年に第1回を行ってから,毎年11月にシンポジウムを開催してきました。
SAGAのホームページはこちら www.saga-jp.org です。

18回目を迎えるSAGAシンポジウムのテーマは「残るのか? 消えるのか?」としました。これは,野生で絶滅の危機に瀕する多くの動物の現状を知るとともに,動物園が希少種の飼育下繁殖という課題に取り組んでいることを知ってもらうことが目的です。後者の課題は,ひとつの動物園で解決できるものではなく,日本国内全体の,さらには海外まで含めた協力関係を作っていく必要があります。このような想いをもって,講演のプログラムが組まれました。

SAGA18のプログラムは,こちらのページをご参照ください。

当日は,朝からあいにくの雨模様でしたが,シンポジウム会場となったレクチャールームには,満員の参加者を得ました。
主催者を代表して市長挨拶,SAGA世話人代表の伊谷原一 京都大学野生動物研究センター教授の挨拶でシンポジウムが始まりました。


今回のSAGA18では,招待講演者として,愛媛県立とべ動物園の椎名脩氏,公益社団法人日本動物園水族館協会生物多様性委員会の高見一利氏,シカゴ・リンカーンパーク動物園フィッシャー E レスター研究センター長のスティーブ・ロス氏の3人をお迎えしました。



ロス氏は,北米動物園水族館協会に所属する動物園のチンパンジーの飼育ガイドラインについて講演されました。とくに乳児期の母子関係の重要さを強調し,この点については後の総合討論でも議論されました。

ポスター発表の会場も,多数の参加者を得て,活発な議論がされました。

あいにくの雨でしたが,運動場では子ゾウたちが気持ちよさそうにプールで遊んでいました。

2日目は,天気にも恵まれ,山極寿一 京都大学総長の講演で始まり,今年の3月に調印されて始まった,動物園・植物園・水族館に青少年科学センターも加わった連携による活動の紹介と,各施設の取り組み紹介がおこなわれました。


2日間にわたって,常にたくさんの参加者に恵まれ,成功のうちにシンポジウムを終えることができました。
ご参加いただいた皆様,ありがとうございました。

なお,SAGA18での議論を受けて,SAGA世話人一同で,SAGAのホームページに
以下のような声明文を発表しました。
「不当な人工保育に対する批判声明」(外部サイトにリンクしています)

併せて,類人猿舎のSAGAシンポジウムの開催報告の隣にも掲示しています。