救護センターブログブログ
2019年9月28日(土)渡り鳥飛んでいく南の空へ
渡り鳥が行き来する季節になりました。
春から夏を日本で過ごして繁殖を終え,今年生まれの若鳥ともども南の国へ帰る夏鳥と,冬を過ごすために北の国からやってくる冬鳥が,秋空を飛び交います。
夏鳥ではツバメが一番身近な存在ですね。
冬鳥ではツグミやジョウビタキ,カモたちがよく知られています。
ツバメ ツグミ
ジョウビタキ キンクロハジロ(上),ホシハジロ(下)
タカの仲間にも渡りをする鳥がいます。
9月中旬から10月中旬にかけて,サシバやハチクマなどが,
琵琶湖の東岸を通って西南へと移動していきます。
9月下旬に,京都市と大津市との境にある岩間山でタカの渡りを観察しました。
タカは上昇気流に乗って旋回しながら高度を上げ,
やがて翼を広げたまま流れるように滑空します。
旋回上昇,滑空下降を繰り返しながら,飛んでいきます。
上昇気流に乗るときに,何羽ものタカが次々と集まり,縦に連なります。
これを「鷹柱(たかばしら)」と呼んでいます。
多いときは100羽以上も集まることがあるそうですが,5羽ぐらい集まっただけでも感激し,40羽ぐらいの鷹柱を見たときは歓声をあげました。
黒い点々がタカです。5羽いますが,見えますか?
流れ星のようなスピードでシューッと滑空していったハヤブサ,
太陽の光を受けて風切羽が透けて輝くサシバ,
頭がほっそりしているハチクマ,
羽の黒っぽい模様が見えた気がしたノスリ。
ハヤブサ サシバ ハチクマ
双眼鏡で見ても,豆粒やゴマ粒ほどの大きさにしか見えなかったのですが,
それでも驚きと喜びに満ちた時間でした。
留鳥のトビも紛らわしく飛んでいて,楽しめました。
この子は肉眼でもハッキリ見えます。
渡りの季節は,渡ってきて力尽きて事故に遭う鳥,
帰りのルートで山から街へ出て事故に遭う鳥が多くなります。
渡っていくタカたちを見送りながら,道中の無事を祈りました。
救護センタースタッフ 吉川