救護センターブログブログ
2018年2月6日(火)アオバト
美しい緑色のアオバトのメスが救護センターに運び込まれました。
カラスにつつかれ,命からがら逃げたものの,動けずにいたようです。
首の部分に,とてもとても深い傷を負っていました。
すぐに縫合手術を行いましたが,残念な結果となりました。
アオバトのメス
手術前の処置で羽を取り除いたときに,ポコッとした不思議な膨らみがあり
何だろうと思っていたら,アオバトの嗉嚢(そのう)にドングリが入っていました。
嗉嚢は消化器官の一つで,食べたものを一時的に蓄える袋のようなものです。
食べたものは,腺胃(せんい)という器官で分泌される消化液とともに
砂嚢(さのう)に送られ,消化されていきます。
アオバトはドングリを食べた後
じっと消化を待っていたところを襲われたのかもしれません。
これが出てきました!
あとでドングリを調べたら,アラカシのドングリでした。
ドングリの中ではアラカシは渋みが強く,人が食べても美味しくはないのですが,
アオバトには美味しい実だったのでしょうか。
アオバトは,救護センターで用意する色々な餌を片っ端から拒否する鳥なので
今後の餌の参考になりました。
アラカシは西日本ではよく見られるブナ科の常緑樹です。
鋸歯(葉っぱのギザギザ)が粗いので,アラカシ(粗樫)と呼ばれています。
春に花が咲き,同じ年の秋にドングリができる一年成です。
さっそくドングリを土に埋めました。
春になって芽が出たら,若木になるまで育て,アオバトを偲ぶアラカシとして
どこかに植樹したいと思います。(遠大な計画ですが…)
救護センタースタッフ 吉川