生き物・学び・研究センターブログ
2020年5月20日(水)サル舎でのテナガザル,マンドリルのお勉強について
京都市動物園は5月18日に,41日ぶりに開園しました。
府県をまたぐ移動自粛をお願いしているため,京都府民の方だけに限定させていただいていますが,さっそくたくさんの方にご来園いただいています。ありがとうございます。
ところで,園内の一部は,感染防止対策のためにご利用できない区画を設けています。
アカゲザルのサル島の周囲もそのひとつです。
サルについては,人間と進化的に近い動物で,そのために人間が感染する新型コロナウィルスにも感染する可能性があるからです。ガラスで隔てられているところは大丈夫なのですが,サル島の周囲は柵だけなので,サルへの感染を防止するために,距離を取らせていただきました。
同じく,感染防止のために,サル舎のシロテテナガザル,マンドリルも格子の面には入らないようにさせていただきました。
ガラス面もさわらないでくださいね,というお願いを貼っています。
これは,ガラス面はウィルスが長く残っているので,その前にガラスにさわった人が感染ウィルスを残しているかもしれず,その後に同じ個所にさわった人にウィルスが移ってしまう可能性があるためです。
公共の場所は,いつ,だれがさわるかわかりません。
お子さんは,ついガラスにさわってしまいがちなので,保護者の方も気を付けてあげてください。
さて,そんな状況ですので,これまでサル舎のテナガザルとマンドリルの間の通路でおこなっていた,「サルのお勉強」をしばらくお休みしようと思います。
お勉強をしている場所はお客さんが見られる面からは遠くて,おそらく見にくいので,ついガラス面に手や顔を近づけて,ふれてしまいがちになるからです。残念ですが,ご理解をいただけますようにお願いします。
さて,これまで,マンドリルのベンケイは,5年以上,数字の勉強を続けてきました。
その成績をまとめてみると,こんなことがわかりました。(下のグラフ)
これは,ベンケイが,十分に数字の順番を覚えて,もうひとつ数字を増やしても大丈夫という合格基準に達するまで,どれだけの回数,勉強したかを著したものです。
(合格基準は,2回続けて,75%以上正解できることです)
1回100問の勉強を,1から6までの問題では79回,期間にして約1年間かかりました。
1から7までの問題では94回,1年4か月もかかりました。
そして,現在おこなっている,1から8までの問題は,始めてから85回以上,2年2か月もやっていますが,まだ正解率は50%にも届かず,できそうにありません。
さて,こちらはオネ母さん。
今年20歳になるオネさんは,ベンケイよりさらに覚えるのに時間がかかっています。
1から3までの問題を,昨年1月から1年4か月,45回以上も挑戦していますが,まだできそうにありません。年齢の影響に加えて,ベンケイの妨害にあったりするので,まだまだ時間がかるかもしれません。やる気はあるので,気長に付き合っていこうと思います。
田中正之