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2021年5月15日(土)獣医室だより113 アカアシガメの甲羅の割れ

熱帯動物館で飼育しているアカアシガメの最老齢個体は飼育下で47年。
当園の動物の中では,かなり高齢の部類に入ります。
先日,甲羅に亀裂が見られたため治療を行いました。

割れたのは背中側の甲羅の右後肢周囲。
同居しているケヅメリクガメに乗られたときに,割れたのかもしれません。

カメの甲羅が割れてしまった場合,エポキシ樹脂で補修を行います。
市販の硬化時間が短い樹脂を使い,傷を埋めていきます。


他個体が食べたりすることのないよう一日隔離飼育し,十分硬くなったことを確認して飼育場に戻しました。
なお,亀裂が大きい場合はグラスファイバーで覆ってから樹脂を塗ります。
甲羅の変形が激しい場合にはワイヤーで補正しますし,内臓の露出等を伴う場合は感染防止の治療も必要となります。

気温が上がってきたため,ケヅメリクガメとアカアシガメは屋外飼育中。
日向ぼっこする姿は,とても気持ちがよさそうでした。

土佐