救護センターブログブログ

2012年10月20日(土)何をしているところでしょう?

9月の終わりに保護されてきたトビに運動をさせるため,外にあるケージに出した時の話です。

保護された個体は,まず温度管理のされた室内で治療期間が終わるまで飼育されます。
治療が終わると,野生に帰すためのリハビリを行うために,外に出して運動をさせます。
治療中に衰えた筋力が戻るまでは,なかなか飛び上れず,地面にいることが多いのですが…。

救護センターで1番広いケージにトビを出した次の日です。
掃除をしに行くと,トビが写真の状態。

 
 

さて,トビは何をしているところでしょう?

「何をしているところ?」って何か怪我でもしたのではないか?
それどころじゃない!死んでるんじゃ!?

って思った方いませんか?
実は,トビは死んだふりの真っ最中です。

トビは身の危険を感じると,死んだふりをすることがあります。
私がケージの隣で掃除をしているのを見て,いつの間にか死んだふりを始めた様子…。
目はバッチリ開いていますが,体を動かさないように頑張っています。
 

見えないところに私が行くと,こちらが気になるのかそ~っと頭をあげて様子を見ようとしていたり…。
でも怪我の可能性はゼロではないので,心配です。
少し離れて様子を見ていると,周りを気にしながら立ち上がって,止まり木まで歩いて行きました。

 その後何回か確認しましたが,何ともなさそうです。
水を飲もうとしていたところだったのか,水皿に乗りながら死んだふりをしていました。
トビの少し変わった習性,紹介させていただきました。

救護センタースタッフ 森本