イベント

2017年7月1日(土)講演会 子ゾウのふる里~ラオス・サイニャブリー~

京都市動物園では,「ゾウの繁殖プロジェクト」に基づく人材交流事業として,
平成29年6月28日から7月3日まで,ラオス人民民主共和国から代表団を招聘いたします。
「ゾウの繁殖プロジェクト」については,こちらのページをご覧ください。(新しいページが開きます)

この機会に,子ゾウたちのふる里であるラオスについてより深く知っていただく
ために講演会を企画しました。
※講演会に参加された方には,もれなくゾウのオリジナルポストカードセットをプレゼントします。

内容については,下記のとおりです。

講演会 子ゾウのふる里~ラオス・サイニャブリー~
1 開催日時:平成29年7月1日(土)午後2時~3時
2 開催場所:京都市動物園 正面エントランス レクチャールーム
3 講演者:ア 生き物・学び・研究センター長 田中 正之
       「ゾウ祭りとラオスのゾウの森」  

     イ ラオス人民民主共和国サイニャブリー県農林局長 カムラ・プィエヴァンナ氏
       「ラオス・サイニャブリー県のゾウ保全の現状について」      

*カムラ氏の講演はラオ語で行われますが,日本語の通訳がつきます。

4 定員 約80名(先着順)

5 参加費
無料(入園料は必要です。)

6 問合せ
〒606-8333
京都市左京区岡崎法勝寺町岡崎公園内 京都市動物園 総務課
電 話 075-771-0210

7 要旨
「ラオス・サイニャブリー県のゾウ保全の現状について」
サイニャブリー県は,ラオスの中でもゾウの保全について,高い評価を受けている県です。飼育ゾウも野生ゾウも県内で数多く見られます。279頭のゾウが飼われていますし,国定のナンプーィ生物多様性保全区では50~60頭の野生ゾウの存在が報告されています。ラオスでは,ゾウは歴史的にも長く,愛すべき動物と見なされてきました。ゾウは,農業や林業で人間を助けるなど,地域の生活でなくてはならない存在でした。2006年以来,ゾウの保全は国を挙げて進められている事業です。これには,地域レベルでの参画や,伝統的なお祭りでの祝賀の儀式も含まれます。サイニャブリー県では,毎年ゾウ祭りが2月12日から19日にかけて行われます。これは地元の人々やサイニャブリー県にとって大きな現金収入となっています。ゾウ祭りはエコツーリズムのひとつのシンボルとなり,観光客をサイニャブリー県に呼んでくれます。しかし,ゾウを保護すること,特に野生ゾウを保護することには多くの課題,難題があります。大きな要因は,生息地の破壊です。これは,農地の拡大の外,都市化や耕作地の変化,森林火災,違法伐採や不法侵入などのためです。その一方でゾウの繁殖に関する財源や技術供与は限られています。現在,これらの課題を克服するための政府の公約はあるものの,例えばゾウや繁殖に関する研究は十分ではなく,国際的な財政支援や地元コミュニティへの教育的キャンペーンなども十分ではありません。

The Elephant Conservation in Xayyabouly province, Lao PDR
Xayyabouly province is highly reputation for elephant conservation in the Lao PDR. Both domestic and wild elephants are largely found in this province, which are about 279 domestic elephants, and between 50-60 wild elephants were recently reported in the Nam Pouy National Biodiversity Conservation Areas. Elephants are recognized as long historic friendly animals/pets. They have played an important role in local livelihood’s activities, including supplying main labour supports for agricultural and loggings activities. The elephant conservation has been promoted nationally since 2006, through local participation and traditional festival celebration. Every year, an elephant celebration festival is organized between 12-19 February which helps to generate a huge income for local people and province. This becomes a symbol of ecotourism and attractive to visitors to the province. However, there are numbers of issues and challenges for protecting them, especially wildlife elephants. These include its habitat destruction due to an expansion of agricultural lands and urbanization and shifting cultivation, wild fire, illegal loggings and encroachments, meanwhile there is a limitation of financial support and technical inputs for elephant breeding. At the present, although there are some commitments of the government to overcome these challenges, it is insufficient such as a research on elephants and breeding, collaborations with international donors and educational campaign for local communities.