イベント

親子生きもの探偵団


平成27年8月13日(木)『平成27年度第4回親子生きもの探偵団』を実施しました。
このプログラムは,京都市環境政策局環境管理課が主催しているプログラムの一部です。
なお,京都市では平成26年3月に「京都市生物多様性プラン~生きもの・文化豊かな京都を未来へ~」を策定しており,生物多様性の保全に向けた環境教育・普及啓発の取組を進めており,その取組の一つとして動物園も協力して実施しました。
当日は17組の親子が参加していただき,明治36年の開園当初からある噴水池と来月5日にいよいよオープンとなる「京都の森」の水路で生き物調査を行いました。

噴水池に入る前に,ザリガニ釣りをしながら,目視で生きもの観察。ん~魚影がない!

各自が釣りあげたザリガニをオスとメスに選別しました。その結果は,オス45匹,メス29匹でした。

その後,今度は池に入っての生きもの調査です。スジエビ・コマツモムシ・アメンボが多かったですね。なお,アメンボについては,その名前の由来となった「飴の坊(あめのぼう)」を鼻で確かめるために,匂いを嗅いだりしました。

調査にはこんな道具も使用しました。これは「もんどり」と呼ばれる漁具です。ただし,一般河川等で使用するには「京都府内水面漁業調整規則」に則り申請し,許可が必要になりますので,御留意下さい。

京都の森の水路から噴水池にそそぐ流れの源の池で,ゲンジボタルを復活させる取組を行っていることを説明しました。

そして,たんぼの生き物についても観察するポイントをお話し,

それぞれ思い思いの場所での生きもの調査を行い,オタマジャクシやバッタ,トンボなどの観察が出来ました。
当日は,雨に降られた時間帯もありましたが,事故や怪我もなく終えられたのでホッとしています。
採取した生きもののメインは「アメリカザリガニ」でしたが,環境について考えるには良い教材だと思います。

今後も,継続して調査に取り組んでいきますので,機会がありましたら御参加いただければと思います。
御参加いただいた皆様どうもありがとうございました。
また,京都精華大学人文学部板倉ゼミ及び平成27年度京都市動物園博物館実習生に御協力いただきました。

【測定結果】
気温29.5℃,水温29.0℃
ph(ピーエイチ)7.0,COD(科学的酸素要求量)6mg/L,NH4(アンモニウム態窒素)0.2mg/L,No2(亜硝酸態窒素)0.005mg/L,NO3(硝酸態窒素)0.2mg/L,PO4(りん酸態りん)0.02mg/L

なお,この測定結果のみで,噴水池や京都の森の状態を判断することはできませんが,この上流には田んぼがあり,田水も流れ込んでいます。今年の米作りでは肥料を使用していませんが,今後,肥料を使用した場合には,この測定結果と比較することで,水質の変化を知る手がかりになります。
引き続き,調査を継続するとともに,噴水池をビオトープとして整備していきたいと思います。

生き物・学び・研究センター 和田