救護センターブログブログ
2019年10月23日(水)そばにいるよ イカル
京都の森にある救護センター掲示板では
京都市内で見ることのできる野鳥を随時,紹介しています。
今回は,イカルです。
イカルは全長23センチ。ムクドリぐらいの大きさですが,ずんぐりとしています。
太くて黄色い嘴が目を引きます。
このペンチのような嘴で,大好きな木の実を割って,種を食べます。
植物は種の散布を期待して甘い果肉で包んでいるのに,果肉はあまり食べず,
種だけ食べるなんて!
植物にとっては「何してくれてんねん!」と文句を言いたくなるほど,食われ損の
行為ですね。
しかも,他の鳥が果実を食べてフンと一緒に出した種まで,地面をつついて探し
食べているなんて!
種への執念,恐るべし。
救護センターには毎年のようにイカルが保護されています。
私たちにとってありがたいのは,種を置いておくと,何の警戒もなく,疑いもなく,
躊躇もなく,到着したその日から食べてくれることです。
麻の実,むき餌などの他に,園内で採取したカエデやエノキの実なども与えます。
秋から冬にかけてイカルは群れになり,
仲良く種をついばんでいる姿が見られるようになります。
大きめの小鳥が10数羽,地面をつついていたり,パァ~ッと一斉に枝に飛び移ったりしていたら,目を凝らしてくださいね。
羽の色は地味めですが,黄色い嘴か羽の白斑が見えたら,ほぼイカルです。
救護センタースタッフ 吉川