救護センターブログブログ
2019年10月11日(金)アオサギ,頑張っています!
ヒナでもないのに野鳥が人に捕まるのは,
体のどこかに不具合があることを示しています。
これを念頭に置いておかないと,判断を誤ってしまいます。
運ばれてきたアオサギを段ボール箱から出すと,スタスタと歩きました。
歩けるのなら大丈夫?
いいえ。
人から逃れようとして,あらん限りの力を振り絞って歩いたかもしれないので,
異常がないか視診と触診をおこないます。
アオサギに目立った外傷はありませんでしたが,胸を触ると
見た目からは想像できないほど,骨と皮だけのガリガリでした。
胸にある竜骨の周りには,正常ならば筋肉が付き,弾力があります。
しかし痩せると筋肉が落ち,竜骨が際立ってきます。
アオサギは餓死寸前の出っ張り具合でした。
ケージに収容し,しばらくしてから様子を見に行くと,
部屋の片隅でへなへなと,へたり込んでいました。
あぁ,やっぱり 衰弱…(+_+)
でも私に見られていると分かると,元気を装って立ち上がりました。
「げ,元気ですよってに」
あぁ,やっぱり鳥ってヤツは… (>_<)
野鳥はどんなに苦しくても,ギリギリまで平気なフリをします。
そして「アカン,もうしんどいわ」となると,あっけなく死んでしまうのです。
エサを食べるようになれば,アオサギはすぐに元気を取り戻すだろうと思えたので,まずは流動食で効率よく栄養を吸収させ,腸のぜん動を促しました。
カワセミ用の金魚と解凍したマメアジも用意したら,金魚を食べ始めました。
あぁ,やっぱり 金魚…(´∀`)
生きている金魚に勝る冷凍魚はないもんね。
金魚を食べると元気になり,元気になると食欲がわき,好循環が生まれたようです。
やがてマメアジも完食。おかわりもしました。
今ではアオサギは最上段の止まり木にも仁王立ちできるまでに回復しています。
体もシャキッとし,動きも速くなりました。
(おまけ)
我々は宇宙人や,って誰が宇宙人やねん。アオサギやで~♪
救護センタースタッフ 吉川