救護センターブログブログ
2019年9月7日(土)ワッジとペリット
クズの蔓をあげたら,チンパンジーのワッジを見せてもらいました。
ワッジ(wadge)は英語で「塊(になったもの)」という意味です。
水分の多い草をくっちゃくっちゃ噛んで噛んで,しがんでしがむと,
カスカスの筋だけになった草が,口の中で団子状になっていきます。
ワッジは以前に飼育員ブログで紹介されていますが,
実物を見て触るのは初めてです (゜▽゜)
大きいのは大人のチンパンジーのワッジ。しっかりと固まり,ずっしりしています。
小さいのはロジャーのワッジ。ゆるふわです。
僕はロジャー
肉食や魚食,昆虫食の野鳥も,口から塊を吐き出します。
ペリットです。
ワッジもペリットも,口から出す塊ですが,成り立ちが違います。
というのも,ペリットは口の中で作られるものではないからです。
鳥には歯がないので,エサは基本,丸呑みにします。
嘴で食べやすい大きさに引きちぎったら,
とりあえず飲み込んで,砂嚢(筋胃)ですり潰していきます。
そのときに,消化しにくい骨や毛,ウロコなどが丸められ,
食道から口へと逆流し,吐き出されるのです。
救護センターで保護中のカワセミは,毎日ペリットを出しています。
私はカワセミ
カワセミが出しているペリットです。
黒っぽいのと白っぽいのがありますね。
黒いのは主にコオロギを食べたときに出されたもので,
コオロギの外皮,足,羽などでできています。
白いのは主に金魚を食べたときのペリットです。
魚のウロコや骨でできているので,光が当たるとキラキラ輝いてキレイです。
救護センターにいるオオタカやハヤブサも,ペリットを出しますよ。
オオタカ(左)とハヤブサ(右)です。
マウスを食べたときのペリットです。(時間が経っているので,乾燥しています)
オオタカのもハヤブサのも,ほぼ同じです。
ほとんどがマウスの毛でできていて,中に小さな骨や歯が交じっています。
救護センタースタッフ 吉川