救護センターブログブログ
2018年9月7日(金)胸黒
休み明けに救護日報をチェックしたら
「ムナグロ」なるものの持ち込みがあったと記されていました。
ムナグロ・・・誰それ?
ノドグロ(魚)とか腹黒(人)なら知ってるけど。
図鑑で調べたら,シベリアやアラスカで繁殖し,赤道近くで越冬するチドリでした。
長距離移動する途中で日本に立ち寄る旅鳥で,
春と秋の渡りの時期に見ることができるのだとか。
京都府のレッドデータブックでは準絶滅危惧種になっています。
救護センターでは今まで保護した記録はなく,おそらく初めてです。
まだ幼鳥なのですが,胸はうっすら黒くなっています。
背中のまだら模様が白黒黄色でキレイです。
足指に注目すると,地上を早足で歩けるよう,足指が3本になっています。
第1趾(後趾)がない三趾足です。
ちょこまか歩いてはちょっと止まり,また歩いては止まる。
そんな歩き方を見ていると,ムナグロはチドリの仲間ですが
ちっとも千鳥足ではありません。
千鳥足とされたチドリは,誰なのでしょうね。
歩くだけだったムナグロでしたが
やがて弾むように少しだけ飛べるようになってきました。
広い部屋だともっと飛べるかも…と思い
レクチャールームで試してみたら,飛べました!
放野が決まった瞬間でした。
猛威を振るった台風21号(チェービー)が通過した後,
ムナグロを放野しました。
救護センタースタッフ 吉川