救護センターブログブログ

2018年8月15日(水)そばにいるよ シジュウカラ

京都の森にある救護センター掲示板では京都市内で見ることのできる野鳥を
随時,紹介しています。
今回はシジュウカラです。

背中の羽は緑や青のグラデーション,
胸にはまるでネクタイをつけているような黒い模様があるなど,
とてもオシャレな見た目をした鳥です。
 

近年,このシジュウカラが高度なコミュニケーション能力を持っていることが
わかってきました。

1.鳴き声から文章をつくる

メスに対する求愛や仲間とのコミュニケーションなど,
鳥類の鳴き声にはいくつもの種類があります。
シジュウカラは自分の身に危険が迫ると「ピーツピ」という警戒音を出します。
仲間に集合をかけるときは「ヂヂヂヂ」という鳴き声です。
天敵が近づくとこの2つを組み合わせた「ピーツピ・ヂヂヂヂ」で
「天敵が来た!みんなで集まって追い払うぞ!」という文章を作ります。
しかしこれが「ヂヂヂヂ・ピーツピ」だと何の反応も示さないとのこと。
警戒を表す単語のあとに集合を表す単語を続けるという文法のルールが
シジュウカラにはあることがわかりました。

2.音声から対象をイメージする

例えば,私たちは「ヘビ」と聞くと,細くて長いヘビの形をイメージしますよね。
しかし動物にとって鳴き声は「天敵!威嚇しろ!」などという単純な命令であり,
その対象をイメージさせるものではないと考えられてきました。

それを覆したのがシジュウカラです。

シジュウカラは天敵であるヘビに遭遇すると「ジャージャー」という特別な鳴き声で仲間に警戒を促し,翼を広げてヘビを威嚇します。
「ジャージャー」が聞こえたシジュウカラは実際にその場にヘビがいなくても,
ヘビに似ている木の枝に接近することが確認されました。
しかし,近づいたものの威嚇はなし…。
シジュウカラの中に人と同じようなヘビのイメージがあり,
それを目の前の物体に当てはめて行動していることがわかりました。

シジュウカラ語をマスターすれば,いつかシジュウカラと高度なコミュニケーションが取れるようになる日が来る!…かもしれませんね。

   救護スタッフ アベ