救護センターブログブログ
2017年10月15日(日)水禽舎デビュー
今月4日に救護センターからカルガモが一羽,
園内 京都の森 水禽舎へとお引越しをしました。
春先に道路でうずくまっているところを保護され,
救護センターへとやってきたカルガモ。
右翼の骨が折れており,栄養状態もよくなく,
ほとんど自力で動くこともできない状態でした。
骨折部分の整復手術をし,その後は長期に渡るリハビリです。
誰よりもよく食べ,よく暴れるほど元気に回復をしていましたが,
肝心の翼が上手く動かなくなってしまい,ひきずるようになってしまいました。
これでは野生復帰が難しく,やむを得ず,園内での飼育を検討することに。
しかし,このままでは上手く歩くことができません。
垂れ下がった部分が擦れることでさらなるケガをしてしまう可能性もあったため,今後のQOL*を考え,断翼(翼を切断すること)という判断が下されました。
麻酔処置中の様子
人でいうと肘から先がない状態です。
少し心配もしつつ,その後の生活を見守っていましたが,
以前にも増してよく食べ,よく暴れ…野生動物の逞しさを見せつけられました。
そして先日,健康チェックを終え,水禽舎へと仲間入りをしました。
動物はとてもかわいらしいですし,私たちを癒してくれる存在でもあります。
動物を大切に思うみなさんだからこそ,
ぜひ「かわいい」の一歩先を,動物のために人は何ができるのか,
このカルガモとの出会いが考えるきっかけになれば,
救護スタッフとしても何よりです。
その後,お引越しした水禽舎では,
自分よりも体の小さなコガモをつついているとかいないとか…
救護スタッフ アベ
*QOL(Quality Of Life)
医療面だけでなく生活に至るまで,いかに健康を維持し,
よりよい日々を過ごせるかという点に着目し,
幅広く生活の質の向上を図ろうとする考え方。