2021年4月25日（日）変化を察知！？

京都市動物園は，緊急事態宣言の発出にともない，4月25日（日）から休園となりました。
緊急事態宣言発出に伴う休園（4/25～5/11）について

ヒトには事前にお知らせしましたが，チンパンジーたちは事前に知る由もありません。
これは休園初日の25日（日）の朝のおはなし。

チンパンジーたちは，いつもと変わらない朝の勉強の時間を迎えました。・・・のはずでした。

が，この日は最初からみんな，とくに男性陣が落ち着きません。

とくに，ジェームスが落ち着かず，それによって他の個体も落ち着かなくなっているようでした。

ジェームスは，群れで一番強いオスなのですが，一番の小心者でもあります。
今日は朝からお客さんが来ないなど，「何かいつもと違う」ことが気になって仕方がないようでした。
そして，その不安を紛らわすために，仲間，とくにオスのタカシやニイニ，ときには小さいロジャーにまで遊び（といっても，かなり乱暴なレスリング遊び）に誘っていました。

ジェームスとタカシが取っ組み合っている隙に，ロジャーが自分の勉強をしています。

ただし，ジェームスとタカシは部屋の中を動き回っているので，安心はできません。いつでも隣の部屋に逃げられるような姿勢で勉強していました。

そうこうするうちに，ジェームスの興奮がエスカレートして，隣の部屋にいって大暴れをはじめました。

他のみんなも，広い部屋（つまり，逃げ場がたくさんある部屋）に移動し，勉強部屋は空っぽに。。。

騒ぎがおさまった後，一番に帰ってきたのがニイニ。

勉強を再開します。

ニイニの勉強の様子をロジャーが見に来ました。


この後，自分も勉強に戻るロジャー。

ただし，いつでも逃げられる姿勢は変わらず。

この後，ジェームスも帰ってきて勉強を始めましたが，やっぱり落ち着かず，この日の成績はみんないつもりだいぶ悪くなっていました。勉強は落ち着いた雰囲気でするのが大事。ヒトもチンパンジーも同じです。

田中正之