飼育員ブログブログ

2021年4月24日(土)獣医室だより110 ヒョウモントカゲモドキの消化管閉塞

この4月で丸1年閉館していることになる熱帯動物館。
飼育している動物は鳴かない動物がほとんどのため,とても静かです。
しかし,中では今年も産卵や病気がありました。

ヒョウモントカゲモドキのハルの排便が長期間見られない,ということで診察をすることに。
治療をする前にレントゲンを撮影したところ,消化管に白く映る影が。

グリセリンと温湯を等量混ぜて,肛門からゆっくりと浣腸します。
何度か繰り返すと,砂の混じった便を排泄しました。
砂の正体は床材。
餌に付着していたものを,間違って食べたのかもしれません。

治療後,床材は食べることのできない別のものに変更してもらいました。
しかし,なかなか食欲が戻ってきません。
床材を変更したのが悪かったのかと砂に戻してみたり,食欲増進剤を飲ませたりしましたが,なかなか食欲が戻りませんでした。
そうしているうちに,先日暖かくなってきた前後から,餌をバクバクと食べ始めました。

爬虫類では繁殖させるため,冬期に絶食と低温にさらすクーリングという処置を行うことがあります。
もしや昨年クーリングを経験した個体なのかと考え,搬出元に問い合わせましたが,今までクーリングをしたことはないとのこと。
原因は分からずじまいですが,食欲が戻って何よりです。
爬虫類は,魅力的ですが難しいですね。

土佐