生き物・学び・研究センターブログ

2013年5月24日(金)プラセンタ

 みなさんは「プラセンタ」という言葉を聞いたことがありますか?女性にとっては馴染みのある言葉だと思いますが,獣医師である私にとっても耳馴染みのある言葉です。
 この「プラセンタ」とは,英語で「胎盤」を意味しています。そして,今年はチンパンジーの49年ぶりの出産やキリンの第4子誕生などでも,この「胎盤」を目にする機会を得ました。
 ただし,多くの動物では出産後に排出される「胎盤」を食べてしまいます。食べる理由としては,栄養補給や乳汁分泌を促進するため,出産したことを外敵から隠すためとされています。
 当園でも,ゴリラやアカゲザル,ワオキツネザル,ブラジルバク,ニホンカモシカなどで実際に食べている様子も観察されています。
 また,動物園では,食べられずに回収できた際には,動物種によって形も異なるため写真を撮ったり,大きさを測ったり記録を残しています。

 そこで,今回は以下のものを紹介したいと思います。

アカゲザル 胎盤を食べているトンベー。この時は,全部食べ終えてから赤ちゃんの濡れた体を舐め始めていました。

チンパンジー 平成25年2月12日生まれの「ニイニ」を大切に育ててくれた胎盤。チンパンジーの胎盤は人と同じ形で盤状胎盤と呼ばれます。

キリン 平成25年5月15日生まれの子を459日間大切に守ってくれた胎盤。キリンは,他の反芻動物と同じ形で多胎盤と呼ばれます。重さは4.6kgでした。

この他に,馬や豚の「散在性胎盤」や食肉類の「帯状胎盤」がありますので,機会があれば御紹介したいと思います。
動物園では,この様に様々な資料・試料を保管しています。授業や研究等での御利用を希望される方は,一度ご相談下さい。

生き物・学び・研究センター 和田
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