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2013年5月25日(土)京都大学野生動物研究センター 海外研修生を受け入れました

京都大学野生動物研究センターでは,昨年度から日本学術振興会・研究拠点形成事業「大型動物研究を軸とする熱帯生物多様性保全研究」が採択され,それに伴い若手研究者の相互交流のために海外研修生の受け入れを開始した。その研修の1コマとして,生物多様性のための重要な役割を担う動物園における研修を組み入れている。そこで,京都大学と連携している京都市動物園における「種の保存」や「教育・展示活動」などについての研修を受けた。

実施日:2013年5月21日(火)

研修学生:以下の6名

国立マレーシアサバ大学 大学院生 2名

国立アマゾン研究所 大学院生 1名        

国立アマゾン研究所 研究員 1名

インド科学大学生態科学センター 大学院生 2名

引率と解説: 田中正之(生き物・学び・研究センター長)

 

当日のタイムテーブルは以下の通り。

8:45 京都市動物園集合。簡単なガイダンスの後,各動物舎・エリアの説明を現場でおこなった。

8:50 もうじゅうワールド: アムールトラの飼育施設の説明。

8:55 類人猿舎: チンパンジーのグラウンドに入り,植栽を利用したエンリッチメントの取組について説明。続いて,グラウンドに出たチンパンジーを屋外観覧エリアから観察。ゴリラの「バトンリレー・プロジェクト」の概説。

9:30 アフリカの草原: アフリカの草原の展示コンセプトと,これからの課題の説明。  キリンの親子の観察。

10:00 ペンギンのプール: ペンギン飼育についての解説。

10:30 ゾウ舎: ゾウ飼育およびゾウ舎の構造についての解説。ゾウにおやつをあげる体験をさせてもらう。

11:00 バク舎:バク科動物の説明とブラジルバクを対象とした研究の紹介。

11:20 熱帯動物館の館内を概説。

11:40 動物病院と救護センター: 病院内の施設の紹介,救護センター施設の紹介。救護センターに持ち込まれた動物の症例についての解説。

12:00 研修終了。午後は自由見学とした。

午後から一部の学生には,サル舎での学習の様子も解説した。

所感: ガイド,解説するポイントは多々ある。動物園でおこなう研修(実習)として,座学にならないように,すべて現場で説明をおこなった。京都市動物園だからこそ可能な,午前中で完了する最短コースで実施。それぞれについて,解説ポイントをある程度整理させておけば,より効率的にガイドがおこなえる。掲示物(もしくは配布物)で英語解説を用意しておけば,大学生以上の外国人のほとんどは理解可能になる。(生き物・学び・研究センター長 田中正之)