生き物・学び・研究センターブログ

2010年8月26日(木)マンゴロウという男

7月28日のブログで、マンドリルのマンゴロウの立場が弱くなっていることをお知らせしました。

最近のマンゴロウの様子です。

何をしているかというと、

息子のマンマル(3歳)が勉強中でした。
以前なら、タッチモニターの前に居座って、マンマルの勉強を邪魔していたのですが、最近は離れたところで大人しく見ていることが多くなりました。


ときには、がんばってマンマルを追い払おうとするのですが、

ひらりと身をかわして、捕まることはありません。

さらにがんばって追いかけますが、スピードではマンマルにまるでかないません。
手前はこの隙にちゃっかり問題を解いているランマンちゃん。
この抜け目なさはさすがです。


で、けっきょく一回りして、元の通りの配置に戻ります。
こんなことを繰り返して、とうとう最近では暑さのせいもあって、マンマルを追い払うのをあきらめてしまったようです。

でも、ただおとなしくしているわけではありません。

この写真は、ランマンが勉強しているときの様子です。
最初のマンマルのときとの距離の違いに注目。
ランマンはまだ身体も小さく、追い払うことができるので、エラそうにモニターの前に居座っているのです。

3歳の息子にはかなわないのでおとなしくしていて、1歳の娘にはエラそうに威張り散らす。

人間から見ると、なんとも情けない男ですが、マンゴロウに恥じる様子はありません。
(一般に、サルが「恥」を感じられるとは思えませんが。)

マンドリルの社会については、一般的な知識がまだまだ不足しています。
今回のお話は、あくまでマンゴロウとその子どもたちの関係についての話で、これがマンドリル一般にあてはまるかどうかはわかりません。
これからもっと調べていきたいと思います。


田中 正之