飼育員ブログブログ
2020年7月12日(日)熱帯動物館は休館中 ⅩⅩ
熱帯動物館ファンの皆様へ
動物園は6月19日から京都府民以外の皆様にも御来園いただけます。しかし,まだ3密を避けるため熱帯動物館は休館しています。
そこで,引き続き,ブログやSNSで元気に過ごしている動物たちを御紹介します。なお,ケヅメリクガメは屋外放飼場が完成しましたので,ご覧いただけるようになっています。
ⅩⅩ インドホシガメとパンケーキリクガメ
熱帯動物館入口から右手に入ったところにリクガメ室があります。
写真右側はホウシャガメ室,左側がインドホシガメ・パンケーキリクガメ室になります。
背甲の色彩は黒や暗褐色で,椎甲板や肋甲板には黄色や黄褐色の放射状の斑紋が6 から12本ほど入ります。そして,この斑紋が星の様に見えることから和名や英名の【星=star】の由来になっています。
また,本種はワシントン条約で取引が規制されており,1996年には本園から18頭が盗まれるという事件が発生しています。折からの爬虫類ブームで,希少種を狙ったものと思われます。
主に草本,木の葉,多肉植物,果実,花などを食べるますが,陸棲の巻貝,動物の死骸,ウシやヒツジなどの家畜の糞などを食べた例もあるそうです。
そして,同じ場所で飼育しているのが,背甲が極めて扁平なパンケーキリクガメです。
成体でも背甲の甲板の間や腹甲中央部の甲骨板に隙間があり甲板が薄いため,甲羅に弾力性があります。
扁平かつ弾力性のある甲羅は,狭い隙間に潜りやすくなるための適応と考えられています。
岩の下や岩の割れ目などを隠れ家としその周辺で活動し,1つの隠れ家に複数個体が同居する事もあります。
危険を感じると,隠れ家に素早く逃げ込み,腹甲を膨らませ,隠れ家内で四肢を突っ張ることで外敵から引き出されるのを防いだり,垂直な割れ目を上り下りすることもできるようです。
副園長 和田