飼育員ブログブログ

2020年6月15日(月)獣医室だより065 ケープハイラックスの低血糖発作

誰でも無病息災でいたいもの。
ですが,これがなかなか難しく,世の中には一病息災という言葉も出回るようになりました。

京都市動物園の動物たちにも,持病を持っている個体がいます。
昨年度アニマル園長を務めたケープハイラックスのチィも,そのうちの一頭。

チィは,低血糖発作の持病がある個体です。
来園当初から,特に暖かい季節に発作を起こすことがありました。
遺伝的な要因があることに加え,胃内寄生虫が発作の原因になっていたと推定しています。

現在は毎日の糖分補給に加えて予防薬投与を行い,発作を管理しています。
飼育担当による投与方法の改良の結果,毎日捕獲せずに投薬できるようになっています。
また,毎週の検便による寄生虫感染のモニタリングと,駆虫薬の予防的投与も行っています。

先週のチィ。
アニマル園長の重責を解かれて,ほっとしているのかもしれません。
できるだけ健康に,長生きしてほしいと思っています。

土佐