飼育員ブログブログ

2019年9月9日(月)獣医室だより025 ショウガラゴの膿瘍

今回は,半年ほど前,2019年1月の治療のご紹介。

京都市動物園ではショウガラゴを複数頭飼育していますが,その中にビケという個体がいます。
御年7歳,飼育中のショウガラゴの中では比較的高齢。
飼育員の方からの報告で,急に鼻のそばが腫れたとのこと。

鼻の左側に盛り上がりがあります。
針で少し刺して吸引すると,中から濁った液体,おそらく膿が出てきました。
実はこの個体,歯肉炎の既往歴があります。
口腔内の感染が上顎に及んでいる可能性があったため,内部を確認しました。

 

過去の歯肉炎の結果,両切歯が脱落しています。

診察の結果,口腔内に異常なし。
診察室に戻って検査を行い,細菌感染による膿であることがわかりました。
早速抗生剤を処方し,飼育担当者に毎日の投薬をお願いしました。

その後は再発もせず,ビケは今日も,熱帯動物館で元気に過ごしています。

土佐