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2017年3月31日(金)ザルの正体??

熱帯動物館に入ると,すぐにホウシャガメの展示室があります。
この展示室の地面には,ここ数か月,謎のザルが埋め込まれています。

地面に半分だけ埋め込まれた逆さのザル・・・
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さらにザルだけではなく,
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このようなネットが埋め込まれているところも。
一体これはなんなのでしょう・・・

 


実は,このザルやネットは,地中に埋まっているホウシャガメの卵を守っているのです。
ホウシャガメは自分で穴を掘って卵を産みます。
後ろ足を上手に使って,
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右足,左足,右足,左足とゆっくり掘り進め,
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ある程度の深さまで掘ると卵を産みおとします。
そして,卵を産んだ後は,上手に穴を埋め戻します。
埋め戻した穴がこちら。
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埋め戻した直後なら,なんとなく掘った跡がわかります。
ここを掘り返すと,
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深さ約15cmのところに卵があります。
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これまでは,人工ふ卵器で卵を孵化させるために,穴を掘り返して卵を回収していましたが,昨年の4月に人工ふ化が成功したので,次の取り組みとして,展示室に卵を埋めたままふ化に取り組んでいます。カメたちは,穴を掘りやすい軟らかい地面を探して穴を掘るので,ザルやネットで卵を保護しておかないと,その上から穴を掘って,元からある卵を割ってしまうことがあります。こうした事態を避けるために,展示室の地面にはいくつかザルやネットが設置されているわけなのです。
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うまくいけば,産卵から3~4か月後には赤ちゃんが孵化するはずです。
地中からホウシャガメの赤ちゃんが出てくるのを期待して待ちたいと思います(^-^)

熱帯動物館 セオ