飼育員ブログブログ

2010年7月29日(木)ガボンでゴリラに会ってきました! part.4

またまた間があいてしまいましたが                                               皆さんお元気だったでしょうか?

さてそれでは、前回の続きですが・・・

皆さんがゴリラに対してイメージされているのは                                              こんな感じで地面の上を歩いている姿ではなかったでしょうか?

                          当然、僕もこの森でゴリラたちに会うまでは頭の中は                                    こんなゴリラのイメージを持っていました!

でも、実際森の中でゴリラを観察すると地面で生活している時間                              より、木の上で葉っぱを食べたり、休息したりしているほうが                                 はるかに長かったのです。

メスや子供たちばかりでなく下の写真のように                                         シルバーバックまでもが地上20m以上まで登り                                       採食をするなんて驚きでした。

 

                                     これは滞在中唯一、果実(イチジクの仲間)を食べている場面です。                                              まるで宝の山を見つけたように、みんな必死になって                                 食べていました。やはり高さは20mぐらいでした。

                                        2,3歳の子供も自由自在に木の上で動き回っていました。                                 大きな果実なのでちょっと食べただけでお腹が                                           いっぱいになりそうですね。

                                         ゴリラたちの観察はこんな感じで・・・。                                       1度食べ始めたらなかなか降りてきません。                                            この時も実際に12mぐらいの距離で                                              ゴリラが木の上で採食していました。

 

                                           そして、夢のようなゴリラたちとの時間は瞬く間に過ぎてゆき                               帰路は徒歩ではなく丸木舟で、ガボンの森を後にしたのでした。

その後また2日かけて首都リーブルビルに戻りパリ経由で                                         関空に帰ってきたのは出発してから20日後のことでした。

 

そして飛行機の中や帰国後もゴリラについて色々考えました。                                                                                              現在日本の動物園で飼育されているゴリラは                                   24頭と少なく、このままだと日本からいなくなってしまう                                      可能性があります。日本の動物園では昔からゴリラの群れ飼育を                              行っているところは少なく、ほとんどがペアで飼育されてきました。                            そのペアの相性が悪いとなかなか交尾もせず                                           繁殖の成功例も数えられるほどです。また、他の動物とは同居できない                              までも、ちがう種の臭いや鳴き声などが聞こえてくるような環境も                                 少ないようです。                                                              今回、野生のゴリラたちは20頭の群れで                                        マルミミゾウやバッファロー、チンパンジー、サルの仲間たちなど                                  様々な他の動物たちと同じ森で緊張感を保ちながら                                          暮らしていました。                                                           動物園で野生とまったく同じ環境を再現することは不可能ですが                                                   重要なキーポイントをおさえて飼育に生かしてゆかなければ                                   ならないと痛感しました。                                                        また、皆さんが野生のゴリラに会いに行く機会は                                       なかなか無いと思います。しかし、動物園のゴリラたちを通して                                   野生に思いを巡らすことができるような、そんな展示ができないか                               と考えています

ガボンの森でゴリラと同じ空気を吸い                                      肌で彼らを感じるようなそんな感覚・・・。                                                  ゴリラの昼寝の時間帯に睡魔に襲われ一緒にウトウトとした一体感・・・。                              彼らにそんな幸せな時間を分けてもらい                                         彼らにいつまでも変わらず幸せに暮らしていって欲しいと思っています。

皆さんもゴリラのことをちょっと考えてみませんか?                                         それにはまず京都市動物園に来て、昼寝をしてる姿なんかを                                ゆっくりとご覧になってください。

                                                                              ちなみに、20日ぶりのゲンキは                                                     会えたうれしさをあらわにするでもなく・・・                                             よそよそしくするでもなく・・・                                                             「あら、お久しぶりですね。」というような感じで                                                いつもと変わらない態度で餌をもらいに来ましたよ♪                                      ゴリラって自分の気持ちを隠して知らん振りをする                                       そんな動物なんです!

そんなふうには見えないと思いますが                                                      ゲンキも皆さんに会えることを待っていると思いますよ。                                    それでは、動物園でお待ちしています!                                            長いブログを読んでいただきありがとうございました。

                   ニシゴリラ担当:長尾充徳