救護センターブログブログ
2020年10月16日(金)ホンドギツネ,放野を目指して(3)
前回までのお話
交通事故で救護センターに運び込まれたホンドギツネの源九郎。
壁に寄りかかりながら「伏せ」ができるようになりました。
体を起こすことができるようになると,人工芝を敷き詰めた部屋の中を,ズリズリと這って移動するようになりました。
そのせいで,同じところばかりが擦れ,何か所か擦り傷ができてしまいました (>_<)
体を抱えて立たせると,後ろ足に少し力が入るようになってきました。
ちょっといい感じです。
9月下旬には壁にもたれて「お座り」をするようになり,さらには生まれたての仔鹿が立つような感じでヨロヨロと立ちました。
そしてついに,崩れ落ちながらも2,3歩歩いたのでした。
いつになったら動けるのか内心やきもきしたこともありましたが,回復しだしたら,そのスピードの速いこと!
劇的で,めざましい,驚異の回復力を目の当たりにして,希望の光がはっきりと見えました。
この頃になると,エサを自分で食べるようになり,私たちとも距離を置くようになりました。目が合うと,そそくさと逃げるようなそぶりを見せだしたので,リハビリも自主的にしてもらうことにしました。
源九郎を収容している部屋には,ドアを隔てて砂地の地面がある外ケージも隣接しています。通称,砂ケージです。
まだちゃんと歩けないので,行き来させるのは時期尚早ですが,外気を感じてもらいたくて,ドアを開けバリケードを開け,バリケードを作りました。
源九郎が立ち上がっても,到底,乗り越えられない高さです。
しかし,源九郎は不屈のチャレンジャーでした。
(つづく)
救護センター担当 吉川