救護センターブログブログ

2020年3月31日(火)大鷹

1年1か月にわたって保護飼育してきたオオタカが手続きを終え,
大学の研究室へ移動しました。

とても繊細な子で,人が近づくと恐怖のあまり,ピピピと小鳥のような声を漏らしていました。
体が大きいのでメスかなぁとは思っていたのですが
(猛禽はメスのほうが体が大きいのです)
ある時,メスを決定づける証拠が落ちていました。


卵です。青白く鶏卵ぐらいの大きさがありました。
高い所から産んだので,卵は割れていましたが。

今までに救護センターで産卵した例は聞いたことがありません。
オオタカは卵を2個産むというから,また産むのだろうか…
抱卵できるまで生み続けたら,体への負担が大きすぎるのでは…
衝撃を吸収するシートがあれば,卵は割れずに済むのだろうか…
と,オタオタしている間に,もう1個産み落としました。

あぁ,残念でした…

その後,大きなザルに小枝を入れた仮巣を設置したら,産卵は終了しました。


オオタカは,やむを得ず断翼したので,体のバランスをとるのが難しく
慌てるとよく転んでいました。
体を起こしてあげたいけれど,手を出すとさらにパニックに陥るので
見ているだけしかできません。
こんな環境のせいか,ストレスマークが入った羽が落ちていました。

羽が透けて縞模様になっています。

オオタカにとってここは,落ち着かない環境だったのでしょう。
人は出入りするし,トタン屋根ではカラスがドタドタ歩き回るし。
移動先ではリラックスして,後世につながる研究に貢献できることを願っています。


お元気で (*´▽`*)

                               救護センタースタッフ 吉川