救護センターブログブログ

2020年3月20日(金)鳥って不思議2 くちばし

鳥の口には嘴があります。
嘴には骨があり,体を軽くするために穴があいていますが,
骨の周りはケラチンで覆われているので,丈夫な作りになっています。
ケラチンは爪と同じ成分のたんぱく質。ということで,嘴も伸びてきます。
とりわけ飼育下の猛禽の嘴はよく伸びるので,定期的な手入れが必要になります。やわらかい肉ばかり食べさせていると,驚くほど速く伸びます。

嘴はエサを捕るだけでなく,羽の手入れをしたり,物を運んだり,
ヒトの手のような役割もあります。
鳥の種類によってエサやとり方が違うので,嘴の形や大きさも違ってきます。
嘴が細かったり,長かったり,曲がっていたり,太かったり。
餌を探しやすく,捕りやすく,食べやすくするための工夫が,嘴に表れています。

ハイタカやハヤブサなどの猛禽類は,嘴で肉を引き裂いて食べるので,
ナイフのような鋭いカギ状の嘴をしています。
 

水中に嘴を突っ込んで魚を捕るアオサギ,水中に飛び込んで魚を捕らえるカワセミは,細長い形の嘴です。
 

では,魚を食べる猛禽のミサゴの嘴はどうでしょう。

ミサゴは足で魚を捕まえるので,嘴はハイタカたちと同じカギ状です。


足には滑り止めのようなイボイボがあります。

太くて大きい嘴の鳥は,種を食べます。
堅い種の殻も難なく割れるよう,嘴はペンチのように頑丈です。
 
シメもイカルも小鳥と思って油断してはいけません。
嘴で挟まれると,猛禽並みに,いや猛禽以上に痛いです (>_<)
保護されるときは気を付けて!
 

カモ類の嘴には,ひだがあります。

水と一緒に,水草や草の種を口の中に入れて,ひだでこして食べます。

                               救護センタースタッフ 吉川