救護センターブログブログ

2020年3月19日(木)春のオオミズナギドリ

オオミズナギドリが来ました。
この時季に来た記憶がなく,調べたら9年ぶりでした。

オオミズナギドリが救護センターに保護されるのは,毎年11月。
この鳥が来ると「そろそろ冬かぁ」と感慨深いのですが,
3月ということは,「もう戻ってきたの?!」と少し驚きました。
4か月ぐらいは経っているんですけど,ちょっと前の事のように感じます。

繁殖のために,フィリピン近海から若狭湾沖合の冠島(京都府舞鶴市)へと渡って来ますが,何らかの事情で地上に降りてしまうと,長すぎる羽がアダとなって飛び立つことができなくなります。

海上ではどうでしょうか。
「海に出てエサを捕った後,どうやって舞い上がるのか?」と以前に質問がありましたが,海上に吹く上昇気流をとらえて飛び立つそうです。
オオミズナギドリは海に潜って魚を捕ったり,
着水して海にちゃっぷちゃっぷ浮かんだりもしますよ。


大人しい鳥ですが,魚を食べさせるために嘴を開けようとすると
豹変して「何すんのんじゃ~!」と尖った嘴の先っちょで突いてきます。

お怒りはごもっともでございますが,ご自分で魚を召し上がらないのですから,
私どもも「ちょっと我慢して!」と嘴をこじ開けます。

このバトルが今回も繰り広げられたのでした。
写真は11月のときのものです。

今頃は冠島で「ホンマ,えらい目におうたで。シャレにならんわ」と
仲間にぼやいていることでしょう。

                               救護センタースタッフ 吉川