救護センターブログブログ

2019年12月8日(日)冬の木々の楽しみ

寒くなってきましたね。
京都の森の植物は,そろそろ冬支度です。
枝だけになった木なんて,見る価値ない?
いえいえ,葉を落とした木ならではの楽しみがあります。

それは,葉痕(ようこん)観察です。
冬は観察しやすいので,おすすめです。

葉痕とは,葉が落ちた後,枝に残った葉の痕跡です。
植物には維管束(いかんそく)という管があり,
根から吸い上げた水や養分は維管束を通り,幹や枝や葉へ送られます。
葉痕には維管束の断面が点々と残り,顔に見えます。


フユザンショウは棘と棘の間に葉痕があるので,
金の縁飾りがあるえんじ色のガウンを着た王様みたいです。
ゴンズイは小首をかしげたタヌキの置物の顔のような感じ。

フユザンショウもゴンズイも,救護センター掲示板の前に植わっています。
葉痕はかなり小さいので,ルーペがあれば観察しやすいですよ。

園内でも色んな顔をした葉痕を見つけました。

  
はにかんで微笑むアオキ,ニヤリとほくそ笑むセンダン。

 
烏帽子をかぶった麻呂眉の平安貴族のようなカジノキ。
小鳥のような嘴が可愛いアジサイ。

なかでも,葉痕ファンに特に人気があるのが,オニグルミです。
 
ヒツジに見えたり,サルに見えたり。
この葉痕は大きくて,肉眼でもはっきり見えます。


オニグルミはクマ舎の東に植わっています。
ツキノワグマのほのかちゃんに会いに来たついでに,
オニグルミの葉痕も見てみてくださいね。

                              救護センタースタッフ 吉川