救護センターブログブログ

2014年1月23日(木)安静の難しさ

救護センターでは,治療の一環で動物が安静にできるように努めているのですが,その方法について紹介しようと思います。

10月に,カルガモが保護されました。
道路の中央に飛べずにいたところを保護され,検査の結果,骨折はありませんが,左翼の打撲と診断されました。
治療として,翼を動かさないように安静にします。

人であれば,「安静にしてください」で済みますが,相手が野生動物なので,そう上手くはいきません。
できるだけ打撲した左翼に負担をかけたくないのですが,人の姿を見ると力いっぱいに逃げようとします。
個体によっては,気配や物音でも暴れます。

これでは治療が進まないので,対策をとります。
 
対策①暗くする たいていの鳥類は暗くすると大人しくなるので,光の入る隙間を塞いで暗くします。

対策②狭くする 動けるスペースを制限することで,もし暴れても負担が少ないようにします。

対策③気配を消す,静かにする そばを通る時や作業中に音をたてないように注意します。

こんな対策をセンターでは行っています。
実際には,ペットシーツの上に人工芝をひき,穴をふさいだダンボールで囲って入院室を作りました。

狭いですが治療が終わるまでは,ここで極力ストレスをかけないように入院してもらいます。
それでも神経質で上手くいかないことが多々あります。
野生動物を安静にさせるということは,本当に難しいです。

救護センタースタッフ 森本