救護センターブログブログ

2012年12月14日(金)続々と オオミズナギドリ

毎年,11月に集中して持ち込まれるのがオオミズナギドリです。

2007年に13羽という記録がありますが,2008年から2011年までは,0~5件でした。今年は,8月に季節はずれの個体が1羽と,11月に入ってからは,10羽の持ち込みがありました。

 

過去のブログ(2009年5月6日,2011年3月30)でも触れていますが,オオミズナギドリは,京都府の鳥とされています。オオミズナギドリは,日本および日本周辺の島々で繁殖します。日本での主な繁殖地のうち6ヶ所が国の天然記念物に指定されていますが,舞鶴市の冠島が最初の指定地です。

内陸では,ほとんど目にすることがない野鳥なので,オオミズナギドリが持ち込まれるときには,カモメのような鳥を保護したと連絡があります。

オオミズナギドリの嘴は,特徴的です。ミズナギドリ科の特徴なのですが,鼻孔(鼻の穴)が管状で,嘴の先がカギ状になっています。

以前,救護センターに持ち込まれたユリカモメと比べると違いが分かります。


(左がユリカモメ,右がオオミズナギドリ)

オオミズナギドリは,夏に繁殖し,11月頃に南へ渡っていきます。
親鳥と今年生まれの個体は,見た目が変わらないので見分けることが出来ませんが,持ち込まれている個体は,ほとんどが今年生まれではないかと考えています。

オオミズナギドリの渡りは,親鳥と一緒に行わないので,初めて自分の力で行う長旅です。
途中で弱ったり,迷ったりしてしまったところを保護されたのでしょう。

餌は,強制的に与えなければ食べてくれません。強制給餌は,かなりのストレスになるため,怪我がなく,栄養状態が極端に悪くなければ,多くの場合1週間以内に放野します。

地上に降りてしまうと飛べないのに,内陸を渡るなんて,ほんとに命がけだなぁと思います。放野した個体も無事に渡って行ってほしいです。

※救護センター通信「デデポッポーVol.5」もご覧ください。

救護センタースタッフ 村上