救護センターブログブログ

2012年10月30日(火)トビのリハビリ

前回ブログに載せたトビは,現在リハビリ中です。

救護された動物は,治療が終わるまで室内で飼育し,治療が終わるとリハビリのために外のケージに出します。
このリハビリによって,治療中に衰えた筋肉を回復させ,飛べるようになれば野生に帰します。

小型の鳥であれば,大きいケージで十分な運動をさせることができるのですが,トビのような大型の鳥では,なかなかそうもいきません。

そこで,多くの鳥が高いところにいると落ち着く習性を利用して,リハビリを行っています。

トビのリハビリ
イラストのように,止まり木を床からだんだんに設置すると,トビは上の止まり木に行こうとします。
止まり木をジャンプだけでは届かない距離と高さに設置すると,羽ばたいて登るため,これが筋トレになります。
このトビは,まだ筋力があまりないため,高さをつけすぎると諦めてしまうのでほどほどの距離にしています。

トビが止まり木に難なく止まれるようになれば,徐々に止まり木の数を減らします。
そして最後は上段の止まり木2本だけを残して運動させ,飛べる距離が伸びてきたら広い部屋で飛ぶ能力を確認して,問題がなければ放鳥です。

現在は,止まり木を減らしていない6本の状態でリハビリを行っています。
まだ時間がかかりそうですが,早くリハビリを終え,野生に帰せればと思います。

救護センタースタッフ 森本