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2020年10月2日(金)【訃報】 ケープハイラックスのチィが亡くなりました

ケープハイラックスのチィ(6歳メス)が亡くなりました。。。

9月26日の朝,少し息苦しそうな呼吸と食欲不振が見られたため,
急遽入院することになりました。
レントゲンを撮ってみた結果,
腸管内に多量のガスが溜まっていることが判明。
ガスによって膨らんだ腸管が横隔膜を押し上げて,
肺の広がるスペースを狭くしてしまっているため,
呼吸がしづらいのだろうと診断されました。

入院した初日は餌を半分くらい食べたのですが,
翌日からは全く食べず。
排便を促してガスを抜こうと,緩下剤を投与して浣腸もしましたが,
便もガスも出ず。。。

状態が変わらないまま数日が経過し,10月1日に亡くなりました。


チィは2013年12月30日に広島市安佐動物公園で生まれ,
2015年2月にダイ(オス・2017年死亡),
ズッキー(オス・2018年死亡),
イロハ(メス・2016年死亡)と共に来園しました。

(左から チィ・ズッキー・ダイ・イロハ)
当時から小柄で,抜群の笑顔でした。

翌2016年2月12日にオス2頭を出産。

出産後,一時は育仔放棄をしてしまいましたが,
後日,無事に子どもたちを受け入れてくれました。

(足元の双子に授乳するチィ)
しかし,通常の半分以下という低体重で生まれたこの双子には,
育つ力が足りず,体重が横這いのまま発育不良により
残念ながら生後7日目に死亡してしまいました。

さらに翌2017年3月7日に,再びオス1頭を出産。

出生時体重163.2gにちなみ,「ヒロミツ」と命名。
前回の育仔経験を活かし,今度は出産直後からピッタリと寄り添って
育仔に励みました。

チィの愛情を一身に受け,すくすくと成長していたヒロミツでしたが,
生後9ヶ月,寄生虫による栄養障害で急死しました。

(母親チィとそっくりな生後9ヵ月のヒロミツ)
3頭すべての仔を幼いうちに亡くしたチィ。
担当者としては,もう一度チィに仔を持たせてやりたいと思っていましたが,
これ以降,チィが出産することはありませんでした。

この間に,同郷のダイ,ズッキー,イロハは亡くなり,
新しくニッパ(オス)とポテチ(メス)がやってきました。

(ニッパ)

(ポテチ)
ケープハイラックスは群れ意識が強く,
部外者に対して激しい攻撃をすることがありますが,
チィはすんなりと2頭を受け入れてくれました。

そして2019年。
特任園長(現アニマル園長)選挙に出馬。

口角の上がった抜群の笑顔で来園者をメロメロにし,
ダントツの得票数で当選を果たしました。

特任園長に就任してからのチィの活躍はめざましく,
ホームページに,公式SNS,ポスター,広報誌…

ハイラックス舎のアナログ掲示板「Tiitter<チィッター>」,

改札のウェルカムボード。

などなど,色んなところに顔を出し,園の広報活動に貢献。
もちろん,毎日来園者にはいつも笑顔で接客していました。

6月には,ニッパとポテチの第一仔となるサイ(オス)が誕生。
チィは,サイが鳴くとすぐに駆け寄り,まるで自分の仔のように
よく面倒を見ていました。

(チィ:左 サイ:右)

そして12月に担当者の念願だったチィの写真展を開催。

来園者の皆さんから募集した写真もたくさん加え,
ステキな写真展になりました。

2020年は,ポテチが三つ子を産み,群れは一気ににぎやかに。
チィは今回もチビたちの面倒をよく見てくれていました。

 

まだまだ元気でいると思ってたのに。
ゆっくり年を取っていくチィを近くで見ていたかったのに。

まさかこんなに早く逝くなんて…


チィが来園した当時からずっと副担当・主担当として関わってきました。
今これを書いていても,当時のことが鮮明に思い出されます。
いつもかわいかった。
なにをしててもかわいかった。


ありがとうチィ。
担当になれてよかった。楽しかったよ。
安らかに眠ってください。。。

みなさま,今まで応援ありがとうございました。


担当:くろ