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2019年3月29日(金)チンパンジー(コイコ)の妊娠について

 この度,京都市動物園で飼育中のチンパンジーの「コイコ」と「ジェームス」との間に第2子を妊娠しましたので,下記のとおりお知らせします。このまま順調に経過すると,平成31年9月12日(木)から9月24日(火)までの間に出産の予定です。
本園のチンパンジーの出産は,平成30年6月13日(水)に生まれたロジャーに続く5例目となります。

                  記

1 妊娠したチンパンジー

 ⑴ 名前 コイコ(メス)推定41歳
 ⑵ 生年月日 昭和52年
        ※ 野生(アフリカ)由来のため,詳細不明です。
 ⑶ 来園日 平成21年3月25日
        ※ 熊本サンクチュアリから来園しました。
 ⑷ その他 生まれた子は,京都市動物園の帰属となります。
         また,国内での高齢出産の例は多摩動物公園「ペコ(当時46歳)」,札幌市円山動物園「ガチャ(当時42歳)」などがあります。
        一般的にチンパンジーの妊娠出産においては,流産や死産が起こる可能性が約32%あることが報告されています。

2 父 親 

 ⑴ 名前 ジェームス(オス)25歳
 ⑵ 生年月日 平成5年5月9日
        「熊本サンクチュアリ」生まれ。
 ⑶ 来園日 平成22年11月1日
        「熊本サンクチュアリ」から来園しました。
 ⑷ その他 繁殖のためのブリーディングローン(繁殖を目的とした貸借契約)により,
        所有者である京都大学野生動物研究センターから借受しました。

3 出産予定日
  
平成31年9月12日(木)~9月24日(火)(妊娠期間は227~239日)

4 飼育経過
  
平成21年 3月25日 コイコ来園
  平成22年11月 1日 ジェームス来園
  平成25年 2月12日 ニイニ(6歳,オス)誕生(コイコとジェームスの第1子)
  平成31年 2月19日 簡易妊娠検査キット陽性
  平成31年 3月 6日 検査により妊娠確定

5 国内飼育状況
  
平成31年3月3日現在,国内施設で307頭(オス133頭,メス174頭)が飼育されています。
  最近5年の出産数
  平成29年  5頭(うち2頭死亡)
  平成28年  3頭(うち2頭死亡)
  平成27年 10頭(うち1頭死産,4頭死亡)
  平成26年  3頭(うち1頭死産)
  平成25年  8頭
   GAIN(※)ホームページより

※ 「大型類人猿情報ネットワーク」を意味する英文の頭文字。チンパンジー,ボノボ,ゴリラ,オランウータン,テナガザルについて,日本国内で飼育されている個体の情報を収集し,データベース化し,一般に開示して学術研究の推進に供する事業

6 その他
  
京都市は京都大学との間で「野生動物保全に関する教育及び研究の連携に関する協定書」
 を平成20年4月に締結し,京都大学野生動物研究センターと協働して,その研究や教育活
 動に取り組んでいます。
  京都大学との連携による取組の第一弾として,平成21年3月に京都大学の関連施設である熊本サンクチュアリから4頭のチンパンジーを受入れ,チンパンジーの行動や知性の研究とともに,群れ飼育による繁殖を開始しています。

(参考)チンパンジー(英名:Chimpanzee 学名:Pan troglodytes
  アフリカ中部の森で,複数のオスと複数のメスからなる群れをつくって生活。主な餌は植物で,果実を好むが,サルなどの小型の哺乳類を狩って食べることもある雑食性。
  遺伝子の配列は人間と僅かな違いしかなく,ゴリラやボノボとともにヒト科に分類される。道具の使用や地域により独自の文化を持つなど多様な知性を持っている。
  生息地の破壊,密猟,感染症などによりその数は減少し,国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定され,ワシントン条約の附属書Ⅰに掲載され国際取引が規制されている。