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2018年1月12日(金)チンパンジー(ローラ)の妊娠について
この度,京都市動物園で飼育中のチンパンジーの「ローラ」が妊娠しましたので,下記のとおりお知らせします。
ローラにとっては,平成28年8月2日に出産し,翌日に死亡した子に続く2回目の妊娠となり,本園のチンパンジーの出産については4回目となります。
なお,国内では平成29年10月21日に「東山動植物園」(名古屋市)で双子が誕生するなど多数の出産例があります。
記
1 妊娠したチンパンジー
⑴ 名前 ローラ(メス)
⑵ 生年月日 平成2年10月4日(27歳)
※ 三和化学熊本研究センター生まれ(現京都大学野生動物研究センター
熊本サンクチュアリ,以下「熊本サンクチュアリ」という。)
⑶ 来園日 平成27年5月14日
「わんぱーくこうちアニマルランド」(高知市)から来園しました。
⑷ その他 子の帰属については,母親ローラの所有者である「わんぱーくこうちアニマルランド」となります。
なお,チンパンジーの妊娠出産においては,流産や死産が起こる可能性が約32%あることが報告されています。
2 父 親
⑴ 名前 ジェームス(オス)24歳
⑵ 生年月日 平成5年5月9日
「熊本サンクチュアリ」生まれ
⑶ 来園日 平成22年11月1日
「熊本サンクチュアリ」から来園
⑷ その他 繁殖のためのブリーディングローン(繁殖を目的とした貸借契約)により,所有者である京都大学野生動物研究センターから借受
3 出産予定日
平成30年5月31日(木曜日)~6月12日(火曜日)(妊娠期間は227~239日)
4 飼育経過
平成22年11月 1日 ジェームス来園
平成27年 5月14日 ローラ来園
平成28年 8月 2日 出産(翌日に死亡)
平成29年11月20日 簡易妊娠検査キット陽性
平成29年12月 8日 検査により妊娠確定
5 国内飼育状況
平成28年12月31日現在,国内施設で316頭(オス137頭,メス179頭)が飼育されています。
最近5年の出産数は以下のとおりです。
平成28年 3頭(うち2頭死亡)
平成27年10頭(うち1頭死産,4頭死亡)
平成26年 3頭(うち1頭死産)
平成25年 8頭
平成24年 5頭(うち1頭死産)
GAIN(※)ホームページより
※ 「大型類人猿情報ネットワーク」を意味する英文の頭文字。チンパンジー,ボノボ,ゴリラ,オランウータン,テナガザルについて,日本国内で飼育されている個体の情報を収集し,データベース化し,一般に開示して学術研究の推進に供する事業
6 その他
京都市は京都大学との間で「野生動物保全に関する教育及び研究の連携に関する協定書」を平成20年4月に締結し,京都大学野生動物研究センターと協働して,その研究や教育活動に取り組んでいます。
京都大学との連携による取組の第一弾として,平成21年3月に京都大学の関連施設であるチンパンジー・サンクチュアリ・宇土(現:熊本サンクチュアリ)から4頭のチンパンジーを受入れ,チンパンジーの行動や知性の研究とともに,群れ飼育による繁殖を開始しています。
(参考)チンパンジー(英名:Chimpanzee 学名:Pan troglodytes)
アフリカ中部の森で,複数のオスと複数のメスからなる群れをつくって生活。主な餌は植物で,果実を好むが,サルなどの小型の哺乳類を狩って食べることもある雑食性。
遺伝子の配列は人間と僅かな違いしかなく,ゴリラやボノボとともにヒト科に分類される。道具の使用や地域により独自の文化を持つなど多様な知性を持っている。
生息地の破壊,密猟,感染症などによりその数は減少し,国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定され,ワシントン条約の附属書Ⅰに掲載され国際取引が規制されている。
父(ジェームス)
母(ローラ)