この度,人工哺育中のニシゴリラの赤ちゃんの「ゲンタロウ」を母親の「ゲンキ」の元に戻すことになりましたので,お知らせします。 現在,「ゲンタロウ」をゴリラとして育成する取組み「BR(バトンリレープロジェクト)~人からゴリラへ~」を進めていますが,生後10箇月以上経過し,自力で固形物を食べるようになり,ミルクへの依存度が減っていること,母親「ゲンキ」とのお見合いの中では,「ゲンキ」が「ゲンタロウ」をゴリラの子どもとして認識し,親和的な態度をとっていることから,同居を始めるのに最適な時期と判断しました。最終的には父親「モモタロウ」とも一緒にし,群れで暮らす様子を来園者に見ていただける状況を目指しています。 なお,今回のような取組みは我が国では例はなく,成功すれば初めてのこととなります。 また,落ち着いた環境で同居できるよう,当分の間,「ゲンタロウ」と「ゲンキ」は御覧いただけなくなりますので,御了承ください。
記
1 母親「ゲンキ」との同居開始について
(1)同居開始日 平成24年11月5日(月)
(2)場所 類人猿舎ニシゴリラ寝室 (3)公開 静かで落ち着いた環境で同居を図るため,平成24年11月6日(火)から 展示を休止します。 同居が安定した段階で,展示を再開する予定で,その時期については 改めてお知らせします。 展示休止中は類人猿舎観客通路及びホームページで同居の様子を映像 で紹介します。
2 「ゲンタロウ」の状況について
(1) 午前11時から正午までは母親「ゲンキ」とお見合いをしながら飼育 担当者と父親「モモタロウ」の部屋で,正午から午後3時頃までは母親 「ゲンキ」の部屋で,一人遊びや昼寝等で過ごし部屋への順応が順調 に進んでいます。活発に動き回り運動能力の向上が認められ,呼びか けると担当者に近寄り檻越しに餌を受け取り,ミルクを飲んでいます。
(2) 母親の「ゲンキ」は「ゲンタロウ」が自分の子であるという認識はないと 思われますが,親和的に接し,泣き声を上げると反応する等の行動が 観察されています。チンパンジーやゴリラで育児放棄等により人工哺育 を行う場合,群れに戻すために,その子どもに対して親和的な態度を取る 雌を通して群れに導入する手法がとられています。
(3) 固形食を食べるようになり,ミルクへの依存度が減少しています。
(4)「ゲンキ」と「ゲンタロウ」の関係が安定した後,「モモタロウ」との同居という最終段階に移行する予定です。群れのシルバーバックとして子育てに参加することで,「モモタロウ」自身の成長が期待されます。
3 「BR(バトンリレープロジェクト)~人からゴリラへ~」に ついて
(1) 内 容
人工哺育中の「ゲンタロウ」をゴリラの群れ(両親の元)に戻し,ゴリラと して生育させる取組みです。
(2)「BRプロジェクト」スケジュール
平成24年 5月 9日~ 類人猿舎ニシゴリラ寝室で過ごす
6月14日~ 類人猿舎ニシゴリラ放飼場で過ごす
8月10日~ 寝室間でオリ越しの見合い
10月 9日~ オリ越しの哺乳や給餌の練習等,飼育環境 への順応
11月 5日~ 母親「ゲンキ」との同居(予定)
平成25年 4月頃 父親「モモタロウ」との同居(予定)
(参考) ゲンタロウの身体状況
頭胴長 39㎝ 平成24年10月18日(木)現在
体 重 6,727.9g 平成24年10月18日(木)現在