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2012年10月5日(金)チンパンジー(コイコ)の妊娠について
京都市動物園で飼育中のチンパンジーの「コイコ」が妊娠しましたので,下記のとおりお知らせします。このまま順調に経過すると平成25年2月16日から2月28日までの間に出産の予定です。 平成20年4月に締結した京都市と京都大学との連携協定による取組の一環として,平成21年3月にチンパンジーの群れ飼育を開始して以来,初めての出産となります。また,当園では昭和39年以来48年ぶり2例目の出産となります。 なお,国内では平成24年9月5日によこはま動物園ズーラシアで誕生するなど多数の出産例があります。
記
1 妊娠したチンパンジー ⑴ 名前
コイコ(メス)35歳 ⑵ 生年月日
昭和52年4月1日(野生由来のため推定) ⑶ 来園日
平成21年3月25日 京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリから来園 ⑷ その他
3回の出産経験があり,今回が4産目
2 父 親 ⑴ 名前 ジェームス(オス)19歳 ⑵ 生年月日 平成5年5月9日 京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリ生まれ ⑶ 来園日 平成22年11月1日 京都大学野生動物研究センター熊本サンクチュアリから 来園 ⑷ その他 繁殖のためのブリーディングローン(繁殖を目的と した 賃貸借した賃貸借契約)により,所有者である京都大学 野生動物研究センターから借受
3 出産予定日 平成25年2月16日~2月28日(妊娠期間は227~239日)
4 飼育経過
平成21年 3月25日 コイコ来園
平成22年 11月 1日 ジェームス来園
平成23年 12月 7日 妊娠(1回目)
平成24年 2月23日 流産※
4月26日 妊娠(2回目)
5月30日 流産※
8月10日 妊娠(3回目)
※チンパンジーの妊娠出産において,流産や死産が起こる 可能性が約32%あることが報告されています。
5 国内飼育状況
平成23年12月31日現在,国内施設で328頭(オス138頭 メス190頭)が飼育されています。
最近5年の出産数は以下のとおりです。
平成24年 3頭(9月17日現在,GAIN(※)ホームページより)
平成23年 5頭(12月5日現在,GAINホームページより)
平成22年 5頭(うち2頭死産,2頭死亡)
平成21年 7頭(うち1件は双子)
平成20年11頭
※「大型類人猿情報ネットワーク」を意味する英文の頭文字。チンパンジーとゴリラとオランウータンについて,日本国内で飼育されている個体の情報を収集し,データベース化し,一般に開示して,学術研究の推進に供する事業
6 その他
京都市は京都大学との間で「野生動物保全に関する教育及び研究の連携に関する協定書」を平成20年4月に締結し,京都市動物園に常駐する京都大学野生動物研究センターの教員と協働して,その研究や教育活動に取り組んでいます。京都大学との連携による取組の第一弾として,類人猿舎の改修を行い,平成21年3月に京都大学の関連施設であるチンパンジー・サンクチュアリ・宇土(現:熊本サンクチュアリ)から4頭のチンパンジーを受入れ,チンパンジーの行動や知性の研究とともに,群れ飼育による繁殖にも取り組んできました。
(参考)チンパンジー (英名:Chimpanzee 学名:Pan troglodytes) アフリカ中部の森で,複数のオスと複数のメスからなる群れをつくって生活。主な餌は植物で,果実を好むが,サルなどの小型の哺乳類を狩って食べることもある雑食性。 遺伝子の配列は人間と僅かな違いしかなく,ゴリラやボノボとともにヒト科に分類される。道具の使用や地域により独自の文化を持つなど多様な知性を持っている。 生息地の破壊,密猟,感染症などによりその数は減少し,国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定され,ワシントン条約の附属書Ⅰに掲載され国際取引が規制されている。