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2011年7月28日(木)ニシゴリラ(ゲンキ)の妊娠について
この度,当園で飼育中のニシゴリラの「ゲンキ」が,妊娠しましたのでお知らせします。このまま順調に推移しますと平成23年12月19日から平成24年1月8日の間に出産の予定です。「ゲンキ」は,日本で飼育しているニシゴリラの中で唯一の三世であり,子どもが誕生すれば日本初の四世の誕生となり,日本の動物園で生まれたゴリラ同士の初めての子どもとなります。
当園ではゲンキが誕生して以来,25年ぶり4例目,国内では平成
21年11月に恩賜上野動物園で誕生して以来,11例目となります。
1 妊娠したニシゴリラ
⑴ 名前 ゲンキ(メス)25歳
⑵ 生年月日 昭和61年6月24日
京都市動物園生まれ
2 父親
⑴ 名前 モモタロウ(オス)11歳
⑵ 生年月日 平成12年7月3日
恩賜上野動物園生まれ
⑶ 来園日 平成22年10月18日
恩賜上野動物園から来園
⑷ その他 繁殖のためにブリーディングローン(繁殖を目的と
した貸借契約)により,所有者である千葉市動物
公園から借受
3 出産予定日
平成23年12月19日~平成24年1月8日
(妊娠期間は250日~270日)
4 飼育経過
平成22年10月18日 モモタロウ来園
11月 5日 モモタロウとゲンキお見合い
11月 8日 同居開始
平成23年 1月10日 最初の交尾確認
4月13日 交尾確認後,現在まで発情が認められず
交尾後から6月9日まで,岐阜大学において,
糞中性ホルモンを測定※1した結果から妊娠
が示唆された
7月 6日 園内において妊娠診断補助試薬での
検査※2 をした結果,妊娠反応陽性
7月14日 6月12日から7月12日までの糞中性
ホルモンの検査を岐阜大学に依頼
7月22日 前記,糞中性ホルモンの検査結果,
妊娠を確認
※1 糞中に排泄されるプロゲステロンの代謝物を測定,プロゲステロンは,排卵後卵巣に形成される黄体から胎盤を維持するために分泌される性ホルモンで,妊娠中高値で維持される。
※2 ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を特異的に測る検査。hCGは,胎盤から分泌され,黄体を維持するとともにプロゲステロンの分泌を促す作用がある。
(参考)ニシゴリラ(英名:Western Gorilla 学名:Gorilla gorilla)
ニシゴリラは西アフリカの熱帯雨林に生息している。繊維質の多いものから果実まで多様な植物の他,シロアリなどの昆虫も餌とする。雄は成長すると背中が銀白色になりシルバーバックと呼ばれ,数頭の雌とその子どもからなる群れを作る。生息地の環境破壊と密猟により減少し,ワシントン条約附属書Ⅰ(絶滅の恐れが最も高く,特に厳重に取引が規制されている種)に指定されている希少種で,その繁殖が大きな課題となっている。
平成23年6月30日現在,国内10施設で22頭(オス12頭,メス10頭)が飼育されている。
ニシゴリラ(ゲンキ)