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2016年6月24日(金)ロリス講演会のおしらせ

京都市動物園では,オックスフォード・ブルックス大学のアナ・ネカリス博士をお迎えして,下記のとおり,講演会を開催します。

Why are slow lorises venomous and can this help us to conserve them?
なぜスローロリスは毒を持つのか? 毒を持つ性質は保全に活かせるか?
講演者: Dr. Anna Nekaris (アナ・ネカリス博士)
Nocturnal Primate Reseach Group, Oxford Brooks University.
    オックスフォード・ブルックス大学 夜行性霊長類研究グループ

開催日時: 平成28年6月24日(金) 午後2時~3時 
会 場 : 動物園レクチャールーム
*講演は英語で行われます。

講演要旨:
 哺乳類で毒を生産できる動物は非常にまれで、アジアに生息するスローロリスは毒を生産する唯一の霊長類であることが知られている。2012年よりおこなわれているインドネシアのスローロリスを対象とした研究により彼らの毒についての性質があきらかになってきた。講演者らのグループは野生由来の飼育個体と野生個体を対象として、ロリス毒の機能に関するいくつかの仮説を検証してきた。獲物を食べることに役立つのか、対捕食者戦略か、外部寄生虫から守るためなのか、それとも同種他個体との競合に関係しているのだろうか。さらに講演者らのグループは、毒の生化学的な分析や毒に関する信念やその害について地元の人たちからの情報収集、ロリス毒が人に及ぼす影響に関して医学研究との照合なども開始した。これまでのフィールド研究からはっきりとわかってきた機能として、ロリスの上腕の油脂は寄生虫対策に効果があることと、ロリスの唾液は同種他個体との競争において武器になることがあげられる。
 これらの機能にもかかわらず、スローロリスの毒は人を殺すことができるほどのものである。またスローロリスに対するもっとも大きな危機は違法取引である。そのため毒の性質をあきらかにし、その情報を普及することは保全のツールとして役に立つこともわかってきた。社会的なネットワークを生かした情報収集により、本講演ではこれらの影響力について議論する。


京都市動物園では,京都大学との「野生動物の保全に関する教育及び研究の連携協定」に基づいて,動物園レクチャールームで共同セミナーを行います。
本講演会は,京都大学PWSリーディング大学院の「アシュラ国際セミナー」として実施されますが,動物園に来園された方も無料で参加いただけます。
(入園料は別途必要です。)