イベント
2016年4月16日(土)~2016年4月17日(日)「野性動物学のすすめ」を開催しました。
平成28年4月16日(土),17日(日)の2日間,「野生動物学のすすめ」
を開催しました。
ご案内のページはこちらです。
以下に開催報告を掲載します。
なお,PDFでも閲覧できるようにしました。こちら をご覧ください。
(クリックするとPDFが開きます)
本事業は,京都大学と京都市の間で交わされた「野生動物保全に関する研究及び教育の連携協定」(平成20年4月18日締結)を記念した周年記念事業として,「野生動物学のすすめ」を開催してきました。
今年はグランドオープン記念連続企画「野生と出会う」第2弾,「ラオスでゾウと出会う」と題した写真展と講演会をその一部として位置づけ、4月16日に講演会を実施しました。
本年2月15日から26日まで、京都市動物園から髙山光史園長をはじめとする4名が、一昨年来園した子ゾウたちの故郷であるラオス人民民主共和国(以下、ラオス)を訪ねました。これは平成25年7月に京都市動物園とラオス天然資源・環境省森林資源管理局との間で交わされた「ゾウの繁殖プロジェクト」の覚書に基づく人材交流事業の一部です。昨年8月にはラオスから4名の招聘者を迎えました。今回は京都からラオスへ、とくに子ゾウたちの生まれ故郷のサイニャブリー県へ訪れました。2月はサイニャブリー県を上げての「ゾウ祭り(Elephant Festival 2016)」が開催される時期でもあるので、ゾウ祭りを視察しました。今年はサイニャブリー県中から67頭のゾウが集合し、開会セレモニーや市内パレードなど、迫力満点のお祭りでした。さらに、サイニャブリー県のトンミーサイ市(春美カムパートと秋都トンカムの出身地区)も訪ねてきました。
これらのラオス訪問の写真に加えて、現在の子ゾウたちの日常の様子を飼育担当者からお話ししました。4頭それぞれの性格から、一作年に京都に来てからの成長や、それぞれの子ゾウたちに進めている調教の話など、詳しくお話ししました。さらに講演会の参加者とのフリートークセッションではラオスのゾウのこと、京都のゾウたちのこと、たくさんの質問が寄せられ、それぞれについてお答えしました。
4月17日には,劇団シンデレラによるミュージカル「ゾウの森とポテトチップス」の公演がプログラムされました。このお話は、横塚眞己人さんの同タイトルの本の内容を原作としたものです。ボルネオ島の自然が、私たちがふだんの生活で使っているヤシ油(パームオイル)を取るためのアブラヤシのプランテーション(大規模農園)に変わっていってしまい、野生動物たちの暮らす森が奪われています。このような現状を知ってもらい、私たちの生活を振り返ることと、遠く離れたボルネオ島の自然保護活動に関心を持ってもらいたいという内容でした。午前中はあいにくの雨交じりの天気にもかかわらず、劇団の子どもたちの可愛らしい、熱心な呼びこみの効果もあり、午前と午後の2回の公演は満員の盛況でした。
さらに4月17日は、昨年3月20日に京都市動物園,京都府立植物園,京都水族館の3園館で交わされた包括交流連携協定に、今年3月20日に京都市青少年科学センターも参画し4園館の包括連携協定を結んで共同事業を行うことになりました。本年度第1回の共同事業として,「野生動物学のすすめ」にブース出展をしてもらい,各施設の活動紹介をしてもらいました。雨交じりの天気の後には強風が吹くあいにくの天気で、屋外のテントに設置したブースはたいへんな苦労をされていましたが、植物園、水族館、科学センターから多くのスタッフが来てくださり、協力関係のアピールができたと思います。
屋外のブースには、このほかにも、公益財団法人日本モンキーセンター、ボルネオ保全トラスト日本支部、ポレポレ基金(POPOF)、マハレ野生動物保護協会、チンパンジー・サンクチュアリ・プロジェクトがそれぞれの活動を紹介する展示を行いました。動物園を「野生への窓」として、動物園に来園いただいた方に、実際にアジアやアフリカの野生動物とのつながりを感じてもらえたら幸いです。
さらにイーストギャラリーにおいては,この一年間に京都市動物園で実施した研究の成果をポスターにして掲示しました。昨年度の研究成果については,動物園HPでもご覧いただけます。
以下に、当日の写真を掲載します。
園内、学習利便施設前にならんだブース展示。
マハレ野生動物保護協会
日本モンキーセンター
京都水族館のブース
青少年科学センター
京都府立植物園
衣装を着て呼びこみをしてくれた劇団シンデレラの子どもたち。
ミュージカル「ゾウの森とポテトチップス」
「ゾウと出会う」講演会の様子。
イーストギャラリーでのポスター発表
図書館カフェでの写真展
ウェストギャラリーの展示
*写真展は5月8日まで続きます。引き続き、お楽しみいただけます。
生き物・学び・研究センター田中正之(文責)