飼育員ブログブログ

2020年8月23日(日)獣医室だより075 ヨシガモの胎動

哺乳類の妊娠中個体では,妊娠後期には胎動がわかるようになります。
大きな動物ではその動きもダイナミック。
外側から見ているだけで,おなかがポコポコ動く様子が確認できます。
では,卵を産む動物では胎動はわからないのでしょうか。

7/7に水禽舎でヨシガモの雛が生まれました。
両親は昨年の2月に井の頭自然文化園からやってきた個体。
約1箇月の抱卵期間を経て,無事孵化しました。
孵化当日は声だけでしたが,翌日から母親と一緒に元気に泳いでいます。

実はこの雛たち,孵化直前まで孵卵器で育成していました。
下の写真が育成中の様子。
写真の左側が,今回生まれた有精卵。
中央と右側は,無精卵と判定したものを,確定のため加温しています。
 

下の写真は抱卵後24日目,親に戻す直前の写真。
卵内側の表面に血管が走っている様子がわかります。

検卵中に,卵の中で胚が動く様子が観察できました。
https://youtu.be/0U3IWDKHbwc
動画の最後で,黒い部分が動いている様子が,お判りいただけますか。

孵卵器を使う必要があった事情については,次回書かせていただこうと思います。

土佐