飼育員ブログブログ

2020年8月7日(金)熱帯動物館は休館中ⅩⅩⅥ

熱帯動物館ファンの皆様へ
動物園は6月19日から京都府民以外の皆様にも御来園いただけます。しかし,まだ3密を避けるため熱帯動物館は休館しています。
そこで,引き続き,ブログやSNSで元気に過ごしている動物たちを御紹介します。なお,ケヅメリクガメは屋外放飼場が完成しましたので,ご覧いただけるようになっています。また,インドオオコウモリとハリネズミも屋外飼育を始めました。

ⅩⅩⅥ シナロアミルクヘビ
 ナミヘビ科キングヘビ属に分類されるヘビで,形態や分布域によって25亜種に分けられていますが,形態(長さ,鱗の数,模様等)が重複していたり,差異がわずかで分布域が分からないと同定できない亜種もいるため有効性を疑問視されることもあります。

 本亜種は,メキシコのシナロア地方に分布する種で,全長126cm程,体列鱗数は21か23,腹板数は205-228,尾下板数は42-60,背面に10ー16の腹面でも途切れない赤い斑紋が入り,黒い斑紋は覆面でも途切れず,最前部の斑紋は口角に接するという特徴を持っています。

 森林,草原,農耕地などに生息し,食性は動物食で,小型爬虫類,鳥類やその卵,小型哺乳類などを食べます。ミルクヘビという名前の由来は,ネズミを食べるために牛小屋によくあらわれたのを,牛の乳を目当てにきていると考えられたことによります。
 なお,体の配色が毒ヘビに似ていますが,ミルクヘビに毒はありません。このような他種の【警戒色】を利用することを「ベイツ型擬態」と言います。

 副園長 和田