飼育員ブログブログ

2020年6月12日(金)ウシガエル

 動物園の開園当初からある噴水池に昨年初登場したのが「ウシガエル」,今とっても気になる存在です。
 持ち前のものすごい繁殖力であっという間にその数を増やしており,今ではいろいろな大きさのオタマジャクシ~成体が観察されています。

 夏の風物詩ともいえる大きな声で「ブオーブオー」と鳴いていますが,警戒心が強いため,観察しようとすると気づかれてしまい,「ニャー」という鳴き声とともに水に飛び込まれてしまいます。
 繁殖様式は卵生で,5月から 9月上旬に4,000 – 60,000個の水面に浮かぶ卵を産むのですが,ちょうど今,藻の中に小さなオタマジャクシがたくさんいるのが観察されています。※黒い点がそうです。


 噴水池南側のヨシの茂みをそ~っと覗くと,もしかしたら観察することが出来るかもしれません。


 なお,ウシガエルは国際自然保護連合によって世界の侵略的外来種ワースト100に指定されているほか,日本でも日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100に指定されていますが,雑食で貪欲な食欲のため,生態系を壊してしまうからです。さらに,駆除するのもとても難しいのです。

 ちなみに,本園にとってはペンギンやカメの餌を奪っていく困りもののアオサギですが,ウシガエルを捕まえて食べている姿を観察した時は,さすが天敵と感心しました。こうした出来事をこれからも観察・記録しておきたいと思います。

副園長 和田