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2019年10月7日(月)獣医室だより029 インドオオコウモリの落とし物

夏休みが終わり,展示室に戻ったインドオオコウモリ。
この夏に,多くの個体が「脚環」を落としてしまいました。

コウモリは,普段は翼を畳んでいるため,個体間の体の違いがわかりません。
そこで当園では,彼らの両前脚第1指にリングを装着し,一目で個体がわかるようにしています。
このリングを,「脚環」と呼びます。
指につけるので,厳密には「指環」でしょうか。

識別に便利な脚環ですが,デメリットとして,劣化しやすいこと,そしてコウモリたちが器用に取り外してしまう点が挙げられます。
今回,体重測定も兼ねて捕獲し,脚環を再装着します。


まず,個体をマイクロチップリーダーで確認。


脚環を鉗子で広げ…


第1指の細長い部分,中手骨部分に取り付けます。

リングにはある程度の余裕を持たせており,指を締め付けることはありません。
また,装着後数日間,リングがずれていないか,確認しています。

翌日,飼育担当者から残念なお知らせが。
「新しくつけたリングが一つ,床に落ちていたよ」とのこと。
さて,脚環を落としたのはどの子でしょうか。
熱帯動物館に来た時に,探してみてください。

土佐