飼育員ブログブログ

2019年7月29日(月)獣医室だより019 フサオマキザルと獣医

先日,家族と一緒に休日に動物園に来てサル舎の前を通った時のこと。
両親が,フサオマキザルが私に対して反応していると教えてくれました。
試しに近づくと,鳴き声を上げてこちらを見つめ,歯をむき出しにしてきます。

確かに他の来園者の方に対してはそのような反応は見せていません。
もしかしたら動物園の職員の顔を覚えていて反応するのかもしれない。
というわけで,検証実験。

先に別の職員にフサオマキザル舎で撮影をしてもらい,続いて私が近づきます。
動物園職員を認識して警戒するなら二人ともに反応するでしょうし,私を警戒しているなら私に対してのみ反応するはず。

 
→右側から私が近づいています。
 
→もっと近づいています。

→さらに近づきました。

どうやら,全個体から認識されているよう。
不思議なのは,治療したことのない個体からも警戒されているということ。
治療は他の個体から見えないところで行っているので,私が注射を打つ人間だとは知られていないはずなのですが…

今度,他の獣医に対してどのような反応をしているか,訊いてみたいと思います。

土佐