飼育員ブログブログ

2009年10月25日(日)続・噴水池

 前回のブログで噴水の復活を紹介した噴水池の歴史について書きたいと思います。
 「噴水池」は開園当初から動物園の憩いの場となっており,その当時は水路で各所とつながっており「大噴水池」と呼ばれ,見事な噴水を見せていました。
 
 そして,明治時代には前回のブログでもご紹介したように「すいぎう」が水浴びし,龍と虎の戦いを表現したオブジェ(製作者不詳)が設置されるなど,来園者を魅了してきた「大噴水池」。
 
 しかし,昭和21年の園内案内図には「大」の字はなく,「噴水池」と記載されています。おそらく,進駐軍の接収により水路が縮小されたことに関係あるのかな?とも思います。
 
 さて,今回の噴水復活ですが,実は2度目の挑戦でした。
 もともと噴水の仕掛けはラッパ状に開いた口に鋳物の重しが置かれて,その隙間から水が噴き出すという仕組みでした。そこで,鋳物の代わりに噴出口にボールを縛り付け,その隙間から同じように水を飛ばそうと試みたのです。しかし,水圧が足らずに失敗,うまく飛ばすことができませんでした。

        〔噴水池に沈む鋳物の重し〕
 そこで,捲土重来!再度噴出口の計測を行い,鉄工業務を担当している職員により飛ばし機が製作されました。


 そして,見事な復活を遂げたのです。

 今後も古き時代の資料を大切にするとともに,次の100年後につながる資料を残して行きたいと思います。
           動物資料室より わだせい