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2009年7月26日(日)偽妊娠について

犬では,妊娠しなかった場合でも,腹部の膨大や乳房の腫大といった妊娠時と同様の徴候が妊娠期間とほぼ同期間続くことがあります。
これを偽妊娠といいます。

このような偽妊娠時の妊娠様徴候は,妊娠しなかった場合減少していくホルモンの分泌が,発情終了後も維持され続け,子宮や乳腺などに影響を与えるために起こると考えられています。

しかし,偽妊娠は雌犬の発情後に起こる正常な生理学的現象であり,病気ではありません。
ただ,程度には個体差があり,症状がでない個体もいますし,症状があっても期間が短くて気づかないこともあります。

名前のとおりイヌ科の動物であるヤブイヌにも偽妊娠が起こることが報告されています。
今回,コモモは結果的に偽妊娠であったことが判明しました。
妊娠と偽妊娠の診断は,エコーやレントゲンによって簡単にできますが,捕獲によってコモモに与えるストレスを考え,今回は行いませんでした。
そのため,最後の最後まで偽妊娠であることがわからず,結局何事も起こらないままお腹がすっきりしてしまったという次第でした。

ヤブイヌ担当獣医 ヤマモト