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2021年3月8日(月)噴水池の池干し2-噴水池にいる生き物ー

1月18日に噴水池の池干しを行いました。
以前のブログ→噴水池の池干し
遅くなりましたが,池干しで捕獲した生物を同定しましたので
噴水池にどんな生き物がいたのかご紹介します!

まず,気になる今回同定した結果は,,,


ヤリタナゴ  126匹

カネヒラ  2匹

オイカワ  成魚7匹,稚魚多数

ヨシノボリ  28匹

アメリカザリガニ  70匹

ウシガエル  15匹

ウシガエルのオタマジャクシ  736匹

外来種を含め,多くの生物が捕獲できました!


ヤリタナゴ,カネヒラ,オイカワ,ヨシノボリは噴水池が
本来の生息域である在来種ですので,元に戻すためしばらく飼育し,
アメリカザリガニ,ウシガエルは外来種であるため駆除しました。

池干しは,水質改善や外来種駆除を目的として行っていて,
イチモンジタナゴの定着できる環境を目指しています。

昨年は,外来種であるブルーギルが76匹捕獲されましたが,
今年の池干しでは一匹も見られませんでした。
もしかすると,昨年みなさんと一緒に行った池干しで
ブルーギルは噴水池から根絶できたのかもしれません。

また,タナゴの仲間は二枚貝の鰓に卵を産み付け繁殖するという
生活史を持っていますが,その二枚貝は成長過程で
ヨシノボリなど川底にいる魚に寄生して育つので,
ヨシノボリが多く見られたことで(昨年の捕獲数は1匹),
タナゴが生息しやすい環境につながっていけばいいなと考えています。


去年と今年で捕獲できた生物相が少し違っていたこともあり,
噴水池の生態系はまだ安定していないと考えられます。
しかし,アメリカザリガニやウシガエルといった外来種が
多く生息していることがわかったので,
今後も少しずつタナゴが生活しやすい池へと改善していけるよう
取組を続けていこうと思います。

2月21日から止めていた噴水池への疏水の水の供給を再開し,
3月1日に捕獲した在来種を噴水池に戻しました。

外来種が減り,環境が良くなった噴水池で
放流した魚たちが快適に生活してくれたらなと思います。
そして,これから少しずつでも噴水池が京都の多くの在来種にとって
過ごしやすい環境に近づいていけばいいなと思います。
 

守れ!イチモンジタナゴ!!プロジェクト担当
井上